公明党は１０日の政調全体会議で、国家機密の情報漏えいに厳罰を科す「特定秘密保護法案」について、「知る権利への十分な配慮」規定の新設を柱とする修正要求をまとめた。特定秘密の指定基準作りに関わる有識者会議の設置も、同法案に明記するよう求める。政府は知る権利の明記に応じる方針で、今後の修正協議は知る権利や取材の自由などを具体的に担保する措置が焦点。自民、公明両党は法案を１０月中に国会提出する方向で調整している。

　公明党は、政府案の「報道の自由」に関する条項を大幅に修正するよう要求。「国民の知る権利」と「取材の自由」「表現の自由」も追加し、「十分に配慮しなければならない」と記述するよう要請。取材活動が規制されるとの懸念にも配慮し、「取材行為は法令違反、著しく不当な方法と認められない限りは、これを罰しない」と規定すべきだとした。

　自民、公明両党は９日の幹事長・国対委員長会談で、特定秘密保護法案を月内に国会提出することで一致。公明党は今回の修正要求が受け入れられれば、法案提出を了承する考えだ。ただ、取材の自由を具体的に担保する規定の新設などに政府側は難色を示すとみられ、修正協議がなお難航する可能性もある。【小山由宇】