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ストーカー事件―法改正の趣旨を生かせ

警察署の初動と連携に問題があったと言わざるをえない。東京都三鷹市で、知人の男につきまとわれていた高校の女子生徒が殺害された。事件4日前、生徒に話を[記事全文]

核不使用声明―思考転換の一石に

核兵器は非人道的で、使われるべきではない――。国連総会第1委員会に近く提案される共同声明に、日本政府が初めて署名することになった。岸田文雄外相は「支持しうると判断した」[記事全文]

ストーカー事件―法改正の趣旨を生かせ

 警察署の初動と連携に問題があったと言わざるをえない。

 東京都三鷹市で、知人の男につきまとわれていた高校の女子生徒が殺害された。

 事件4日前、生徒に話を聞いた教師が、学校に近い杉並署に電話で相談をしていた。杉並署は、生徒宅近くの三鷹署へ相談するよう勧めただけで、生徒の名や詳しい住所を聞かず、三鷹署にも連絡しなかった。

 今月、改正ストーカー規制法が施行されたばかりだ。以前は加害者へ警告などを出せるのは被害者の住む街の警察署長らに限られていたのを、つきまとい現場や加害者宅のある地元の警察署長らにも広げた。

 一昨年の長崎県でのストーカー殺人事件では、3県警の間で被害者の相談がたらい回しにされ、惨事を防げなかった。その反省から、相談をうけた署が積極的に動くよう促すねらいだ。警察庁も全国の警察へ同様の指示をしていたが、浸透していなかったのだろうか。

 杉並署も「来てくれれば杉並署でも三鷹署でも対応する」と教師に伝えはした。が、まず自ら三鷹署へ連絡すべきだった。本人からの相談でなかったことが影響したのかもしれないが、本人を連れてくるよう促すなどやりようはあった。

 男は関西方面から上京して数日前からつきまとい、「殺す」とメールもしていたという。杉並署が詳しく話を聴いていれば危険が迫っていることを早期につかめたはずだ。

 事件当日に相談をうけた三鷹署も、男に電話連絡を試みただけで、生徒宅の巡回もしなかった。まず口頭で警告、しかる後に文書で警告、と手順をふもうとしたようだが、メール内容を考えれば脅迫容疑で直ちに動くことはできなかったか。相談を聴く生活安全課と、脅迫などを捜査する刑事部門の連携は取れていたか。検証すべきだ。

 ストーカー被害者はしばしば家族や周囲にも言いづらい事情を抱える。知人を訴えることへのためらいもある。警察が被害者の安全確保を第一に考え、一歩前に出て対応することが求められる。同性の警察官が対応する、家族のいない所で話を聴くなどの工夫も要る。

 とりわけ大切なのは、加害者から引き離すことだ。改正法には、被害者は公共施設や民間シェルターで一時保護を受けられることが明記された。2週間ほど身を隠すことができる。

 警察や自治体は、相談に訪れた人にはもちろん、日ごろから広く周知してほしい。被害者にとって心強い武器になる。

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核不使用声明―思考転換の一石に

 核兵器は非人道的で、使われるべきではない――。

 国連総会第1委員会に近く提案される共同声明に、日本政府が初めて署名することになった。岸田文雄外相は「支持しうると判断した」と明言した。

 核兵器の非人道性に焦点をあて、禁止していこうとする動きは、3年前の核不拡散条約(NPT)再検討会議を機に加速した。共同声明も昨年以降、3回出され、今年4月の国際会議では80カ国が賛同した。

 だが日本は、米国の「核の傘」の下で安全を守ろうとする政策と合わないとして、ずっと署名を拒んできた。

 68年前、世界で初めて、広島、長崎を原爆で攻撃された日本がなぜ賛同しないのか。

 この夏には長崎市長が平和宣言で「被爆国としての原点に反する」と痛烈に批判した。

 遅きに失したとはいえ、安倍政権が姿勢を転じたことは一歩前進といえよう。

 ただ、手放しでは喜べない。

 岸田外相は賛同する理由について「(声明の文言が)適切に修正された」と説明した。

 ニュージーランドやスイスなどが練っている文案は明らかでないが、「核の傘」に頼る日本に政策変更を迫るような内容にはならないと踏んだようだ。

 せっかく署名しても、それだけにとどまるのなら、その意味合いは薄まってしまう。今回の方針転換を、「核の傘」からの脱却を探る道のりへの第一歩と考えるべきだ。

 核兵器を持つことで相手を威嚇し、平和を保とうとする核抑止論は冷戦時代の思考だ。冷戦終結から四半世紀がたつのに、日本はむしろ、米国の核抑止力への期待を強めている。

 中国が軍事的存在感を増し、北朝鮮も核・ミサイル開発を進める。これらの脅威に対抗するには、米国の核しかないという発想だ。

 当の米国では、核抑止論は時代遅れとの考えが広がり、オバマ政権は核の役割低減に積極的だ。日本の姿勢は妨げになっているとの見方すらある。

 核の非人道性が強調されるようになった背景にあるのは、核の被害を受けるのは国家ではなく人間であり、人間こそ守らなければ、という考え方だ。

 無数の市民が殺され、生き延びた人々も放射線の後遺症に苦しむ。その残酷さを日本はどの国よりも知っている。

 「核を使ってはいけない」との潮流を広げ、やがては核ゼロを実現させる。その道のりを確かなものにすることが、被爆国としての責務だ。

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