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【暮らし】

人ごとじゃない 桜塚やっくん事故 高速死亡1/4が「2次被害」

 タレントの桜塚やっくん(37)が山口県の中国自動車道で死亡した事故は、あらためて高速道路上の事故の「二次被害」の怖さを示した。事故や故障で車から降り、後続車にはねられるなどして起きる死亡事故は、高速道路での死亡事故の四分の一を占める。いざという時にどう行動すべきか、注意点をまとめた。 (草間俊介)

 桜塚さんの事故は今月五日午後四時五十分ごろに起きた。乗っていたワゴン車が中央分離帯に衝突して停止。直後に桜塚さんと同乗者が車から降りたところを、それぞれ別の後続車にはねられて死亡した。中国道を管理運営する「西日本高速道路」によると、現場は下り坂のカーブ。当時は雨が降っており、見通しが悪かったという。

 高速道路で車外に出るのは当然、危険だ。後続車にはねられるだけでなく、事故車に後続車が追突し、はずみで飛び出した事故車と中央分離帯に挟まれて亡くなったケースも。かといって、停車中の車にとどまっているのもよくない。車内から携帯電話で事故を通報している最中に、後続車に追突されて死亡した例もある。

 警察庁によると、昨年、全国の高速道路で起きた死亡事故は百九十六件。このうち、事故や故障で車を止め、車を降りて後続車にはねられたのが三十七件、車内にとどまっていて衝突されたのが十二件あった。こうした二次被害に遭った事例のほとんどが、他のドライバーが停車中の車に早めに気付くよう、法律で義務付けられている三角停止表示板(停止表示器材)を出していなかったという。

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 では、高速道路で事故や故障が起きた場合はどうすればいいのか。西日本高速道路によると、あらかじめ緊急時を想定した「思考訓練」(メンタルリハーサル)を行い、とるべき行動を把握しておくことが大事だ。

 例えば、単独事故や故障で車が止まり、本人や同乗者に大きなけががない場合には−。

 まずは、ハザードランプを点灯。続いて助手席の足元などに備えてある発炎筒を取り出し、後方に注意しながら車外に出る。

 発炎筒のキャップをひねりながら抜き出し、先端のすり薬をこすって点火、車の後方(車の来る方向)に置く。赤い炎が出る燃焼時間は五分間ほど(種類によって時間に差があるので要確認)。その間に三角停止表示板も車の後方に出し、同乗者全員がガードレールの外へ避難する。

 ガードレールがない場合は、注意しながら路肩を歩き、事故車から十分な距離をとる。

 高速道路は、約一キロごとに非常電話が設置されている。受話器を上げると、管制センターにつながる。非常電話まで遠く、携帯電話で一一〇番か#9910(道路緊急ダイヤル)をかける場合は、百メートルごとにある距離標(キロポスト)の数字で位置を伝える。

 また、自分が後続ドライバーとして、人をはねないようにすることも重要だ。同社東京事務所広報では「高速道路で車が止まっているのを見たら、周囲に人がいると考え、注意して運転して」と呼び掛けている。

 

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