大阪都構想:地方交付税36億円減 公明府議が指摘
毎日新聞 2013年10月12日 07時24分
大阪都構想で大阪府と大阪市が統合した場合、国から地方自治体に交付される地方交付税が少なくとも約36億円減る可能性があることが11日、分かった。府議会の総務常任委員会で清水義人府議(公明)が指摘した。府市は今後、減額にならないよう総務省と調整するという。
地方交付税は、全国で一定の行政水準を確保するための財政調整が目的で、規模の小さい自治体に有利となる。大阪市が担当する事業が広域自治体の「都」に移ることで、現行基準で試算すると交付額が減るという。
清水氏によると、減額分は道路橋梁(きょうりょう)費が18億8300万円、高等学校費が11億700万円に上る。学校管理費▽商工行政費▽公園費も減る。8月に府市が公表した制度設計案では、府から市に移管するのは約10事務で、市から「都」へは約240事務を移管。他にも減額される可能性があるという。
大阪府市大都市局は答弁で「結果として減る可能性がある。総務省と協議する」と述べた。ただ、特別区設置に伴い増額が期待できるものもあるという。
13年度当初予算の交付税は、府が2553億円(全歳入の8.8%)、市が450億円(同2.6%)。府市は「都」に移行後、特別区の間で財政調整する財源に地方交付税などを充てる案を示している。【野口武則】