三鷹刺殺:署員、上司にストーカー報告遅れ

毎日新聞 2013年10月12日 07時19分(最終更新 10月12日 07時21分)

 東京都三鷹市で私立高校3年の女子生徒(18)が殺害された事件で、事件当日の8日朝に女子生徒からストーカー被害の相談を受けた警視庁三鷹署員が、同日午後5時前の殺害時間帯まで上司に報告していなかったことが警視庁への取材で分かった。2012年に警察庁が全国の警察本部に出した通達では、ストーカー行為などの相談は速やかに署長に報告すると定めているが、事件発生まで署長が相談内容を知らなかった可能性が出てきた。警視庁は一連の経緯の確認を進める。

 警視庁生活安全総務課などによると、女子生徒は8日午前9時ごろ両親と三鷹署を訪れ約1時間半、元交際相手の池永チャールストーマス容疑者(21)=殺人容疑で送検=によるストーカー行為について相談した。

 応対した署員は、池永容疑者から送られたメールや手紙を確認するため翌日再び来署するよう伝え、女子生徒らは署を出た。捜査関係者によると、同署員は、別の相談を処理したり上司がイベントに出席したりしていたことなどから、女子生徒の相談内容を上司に報告していなかった。

 結果的に上司に報告された時間について警視庁は、「事件発生前後」と説明し、署長への報告がいつだったかは不明だ。女子生徒は8日夕、自宅に侵入していた池永容疑者に襲われ死亡した。

 同課の山口寛峰(ひろたか)課長は「通達は『何時間以内に報告すべきだ』などと具体的な時間を示したものではない。緊急性が高ければ当然即座に報告すべきだが、今回の判断が適切だったかどうかについては検証する」と話す。

 ◇警告電話、知人携帯に

 また同庁は11日、ストーカー行為を警告しようと8日に3回電話をしたのは池永容疑者の知人の携帯だったことを明らかにした。池永容疑者は女子生徒と交際時、この携帯を知人から借りて使っていたため、女子生徒はこの番号を連絡先として三鷹署に伝えていたという。

 署員は3回とも留守番電話に「三鷹署に連絡してほしい」と吹き込んだが、この携帯電話は既に知人に返却され、池永容疑者には伝わらなかった。知人は知らない番号が表示されたため電話に出なかったという。

 一方、池永容疑者が「逃走中に捨てた」と供述していた凶器とされるペティナイフについて、同庁捜査1課は11日、現場から約500メートルのマンション敷地内で発見、押収した。【松本惇、林奈緒美、山崎征克、神保圭作】

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