はごろもフーズ:「シーチキン」672万缶を自主回収
毎日新聞 2013年10月11日 20時39分(最終更新 10月11日 23時46分)
はごろもフーズ(静岡市清水区)は11日、缶詰「シーチキン」シリーズの一部から、アレルギーに似た症状を起こすヒスタミンが同社基準の最大10倍検出されたとして、全国に流通している計約672万缶を自主回収すると発表した。回収規模は同社製品では過去最多。ヒスタミンは魚肉に含まれ、大量摂取すると、かゆみや吐き気などの症状を引き起こす可能性がある。健康被害は確認されていないという。
対象商品は「シーチキンマイルド」▽「素材そのままシーチキンマイルド」▽「シーチキンマイルド(キャノーラ)」。
同社によると、9月26日以降、複数の購入客から味の違和感を訴える連絡や苦情が続き、同一の工場で製造していたシリーズを調べた結果、2種約30缶から濃度基準値(50ppm以下)の4〜10倍のヒスタミン成分を検出した。製造時の温度管理の不備で増えたとみられ、基準を上回る可能性のある7月8日〜8月28日に生産した3種の全品回収に踏み切った。問い合わせは同社フリーダイヤル(0120・856・004)。【山本佳孝】
◇アミノ酸が変化
ヒスタミンはマグロやブリ、サバなど赤身魚に含まれるアミノ酸が変化してできる。ヒスタミンが多く含まれる魚肉やその加工品を食べると、アレルギーに似た症状の食中毒を起こすことがある。食物アレルギーと異なり、だれでも発症する可能性がある。東京都福祉保健局のホームページなどによると、かゆみや頭痛、吐き気、下痢などの症状が出るものの軽症のことが多く、死亡事例はないという。加熱調理しても分解されない。【岡田英】