JPモルガンの「ロンドンの鯨」制裁金740億円以上に-関係者
9月16日(ブルームバーグ):米銀JPモルガン・チェース は、昨年発覚した過去最大のトレーディング損失を調査している米英当局と和解するため、少なくとも7億5000万ドル(約740億円)を支払うことに同意した。和解交渉に詳しい複数の関係者が明らかにした。
関係者らが部外秘の情報だとして匿名で語ったところでは、JPモルガンは可能な限り多くの調査について7-9月(第3四半期)末の9月30日までに和解することを目指している。マリアン・レーク最高財務責任者(CFO)は先週、7-9月期に訴訟関連の引当金を15億ドル余り積み増したことを明らかにした。
元英国部門トレーダー、ブルーノ・イクシル氏によるデリバティブ(金融派生商品)取引の損失は62億ドルを上回り、米英当局は昨年、同行の内部統制や情報開示に関する調査を開始。関係者らによれば、米国の証券取引委員会(SEC)と通貨監督庁(OCC)、連邦準備制度理事会(FRB)、英金融行動監視機構(FCA)などが制裁を計画している。
関係者の1人によると、一部の和解合意は今週にも発表される可能性があるが、制裁金の総額はなお流動的という。その取引ポジションの大きさから「ロンドンの鯨」の異名を取ったイクシル氏は今年6月、米検察当局が訴追しないことを条件に捜査に協力し、証言を行うことに同意した。
JPモルガンの広報担当者、SECとOCC、FRB、FCAの報道官は和解交渉について、いずれもコメントを控えている。マンハッタン連邦地検のプリート・バラーラ検事正の広報官にコメントを求めるメッセージを残したが、これまでのところ返答はない。
原題:JPMorgan Fines for Whale Said to Reach at Least $750Million (1)(抜粋)
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更新日時: 2013/09/17 07:08 JST