韓国で逮捕の工作員 多くが脱北者装う

10月12日 1時15分

２００３年以降、韓国で逮捕された北朝鮮の工作員が４９人に上り、このうち２１人が脱北者を装っていたことが明らかになり、韓国政府は、脱北者の社会への適応を後押しすると同時に、工作員が混じっていないか監視するという難しい対応を迫られています。

韓国法務省が、このほど国会議員に示した資料によりますと、２００３年以降、ことし８月までの１０年余りの間に、韓国の公安当局が逮捕した北朝鮮の工作員は、４９人に上るということです。
ここ数年、特に逮捕者が急増しており、２０１０年が最多の１１人に上ったほか、おととしが８人、去年が９人で、ことしもすでに４人が逮捕されています。
また逮捕された４９人のうち、２１人が脱北者を装って韓国に入国し、スパイ活動を行っていたということです。
工作員たちは、北朝鮮の治安機関である国家安全保衛部や対外工作機関の偵察総局などに所属し、韓国政府の機密情報の入手や脱北者を連れ戻すことなどが主な任務で、中には、韓国に逃れた北朝鮮の元高官の暗殺を狙っていた工作員もいたということです。
韓国では、現在、脱北者が２万５０００人余りに上り、政府にとっては脱北者を社会に適応できるよう後押しすることが課題となっていますが、同時に脱北者を装った工作員がいないか、監視しなければならない実情が浮き彫りになり、難しい対応を迫られています。