私は反原発派の人々(ネトウヨ用語で言うところの放射脳)を「強くは」批判しない。 何故なら、反原発の人は付随して反TPPな人が少なくなく、また行動力のある人も少なくないので、反TPPにおいて有力な勢力だからだ。 ドイツでは、反原発をしようとしたところISDS条項によりスウェーデンから訴訟をくらうという事があった。 この理屈でたきつければ尚更反原発運動は反TPP運動と結びつくだろう。 なので、反原発の人というのがあまり嫌いではない。
だが、私は反原発派の味方ではない、あくまで私は正論の味方である。故に、反原発派の、間違った主張の部分に関しては突っ込みを入れさせて頂く。
放射能が怖いという気持ちは分る。だから最終的には脱原発すべき、これも分る。故に反原発を訴えるのは良いのだが
「原発はコストが安いというのは嘘、時を追う毎に安全基準を満たす為の予算が嵩むようになってきて今では火力発電と結局変わらないレベルになった。原発が火力発電よりコストが安いというのは過去の原発神話だ」
という主張をたまに見かける。これは大きな間違いである。
確かに、原子力発電の黎明期に言われていたコストは神話レベルで、現在では結局高コストだという点は事実である。 そう聞くと、一瞬、どうせコストがほぼ同じなんだったら火力発電の方がいい!と思ってしまう。
だが、火力発電のコストと原発の安全確保のコストには大きな違いがある。
石油の輸入はただのコストだが、原発の安全確保にかかるコストはGDPの一部になるという事を見逃しているのだ。
例えば原発用津波対策の堤防を作ったりするには、当然電気会社から国内の土木業へ事業の発注が行われる。国内のある土木業者が儲かればそこから法人税や所得税が発生して税収となるし、雇用も生まれる、雇用が増えれば国内消費が増え、あなたの儲けにも繋がってくる訳だ。
一方、石油の輸入はGDPを減らす。 GDPとは民間消費(C)、政府消費(G)、総固定資本形成(I)、財・サービスの輸出入(X-M)で計算できる (C+G+I+(X-M)) ので、この -M が大きくなればそれだけGDPは減る。 原発の安全性強化工事にかかる費用はCなので、GDPに貢献する。
2013年度の化石燃料の輸入額は2010年度に比べ3兆6千億円増加する見込みだそうだが、仮に原発の安全確保にも同じくらいのコストがかかるとしても、3兆もの日本人の所得が海外へ流れるのと、国内で回るのとならどちらが良いか語るまでも無い。
現在、再稼動に一番近いと言われる伊方原発では、空冷式非常用発電装置が4台、非常用ガスタービン発電機(海抜32M地点)、非常用外部電源受電設備など、七重化。さらに、冷却のためのポンプ車9台、可搬型消防ポンプ8台、水中ポンプ30台と、これだけの設備投資を行っている。 福島の原発を教訓にした安全対策は万全だ。とんでもない貿易赤字をこのまま垂れ流しにするより、このように福島の教訓から進化を遂げた原発を再稼動させた方が良いだろう。
しかし、万一放射能事故が起これば人名が失われる!!
との反論も、広い視野で見れば詭弁だ。 何故なら、化石燃料の依存度が高まってしまえば、その分だけ、万一オイルショックのような事態が起こった時に日本が受けるダメージも大きくなるからです。 当然そうなれば、外部不経済効果による死者は出ます。 停電が起こりなんらかの事故で、あるいは日本経済の下降により経済事情自殺者数の増加、など・・・。
放射能で死者が出てはいけないが、石油依存に起因するなんらかの事態によって死者が出るのは構わない、というのは理屈が通らない。
確かに、どんなに科学が進歩しようが、原発はリスクと言えばリスクだ(100%という証明は不可能な為)が、石油依存度の増大、というのも同じくリスクなのである。 どちらもリスクである以上、どちらのリスクがより危険の期待値が高いか、天秤にかけなければならない。
伊方原発の再稼動に向けた設備投資からみてとれるように、原発の安全確保は更に厳格なものとなりました。にも関わらず再び近い内にまた原発事故が発生するとは考え難い。確かに100%安全とは言えないが、限りなくそれに近い。 大して石油依存の問題は、常に貿易赤字の増大という形で日本を苦しめるし、オイルショックのような事が起こる可能性は原発事故の可能性よりは遙かに高い。
以上、経済と人命の観点から、原発再稼動の方が合理的であるという事を説いた。が・・・、
どんなに安全性を厳重確保しても、最終的には無くした方がいいのは確かである。なので私の思いは、あくまでも「せめてメタンハイドレードや核融合といった次世代エネルギーの実用化までの間」だけ、できれば再稼動して欲しい、といった程度のものだ。
はっきり言えば貿易赤字の問題よりも、TPPの方に強い関心を持っている。それほどTPPは恐ろしい。
故に私は、反原発派の人間を無闇に敵視したりはしない。原発反対と言いたければ言えばいい。
ただし、反原発なら必ずTPPにも反対する事。何故なら、日本も原発建設の際にアメリカから多大な投資を受けているので、TPP加入後に原発解体を進めようとすれば冒頭で紹介したドイツと同じ目に遭うのだ。