| 不妊化手術をする猫に抗生物質を注射する中谷代表(中央)=長崎市高島行政センター第二別館
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長崎市の高島で、増え続ける猫を一斉に捕獲し、不妊化手術をする取り組みが進められている。9〜11日の3日間で島内の推定生息数200匹を目標に、島民と獣医師らが実施。猫の命を守りながら、ふん尿問題などの解決を目指す。
市高島行政センターによると、島内の猫は年々増加しており、ふん尿の臭いやネコノミ伝染の懸念などの苦情が住民から寄せられている。7、8月には苦情の対象となった場所で約30匹を捕獲し、市動物管理センターに送り、殺処分された。
島内の主婦、水野悦子さん(63)も猫が増え続ける状況を問題視。繁殖制限による保護を呼び掛ける団体の集まりに4年前から参加し、費用を負担し島内の猫に不妊化手術を受けさせたこともあった。
市が捕獲した猫が殺処分されたことを知り、広島市のNPO法人犬猫みなしご救援隊に協力を依頼。中谷百里代表(51)は人口400人ほどの島に猫が200匹いる状況を「緊急の対応を要する」とみて、一緒に活動する獣医師や動物愛護団体代表と島を訪れた。
今回、行政センターは手術の場所として、センター別館の一室を提供。10日は水野さんや島外からのボランティア、行政センター職員らが猫を集め、獣医師が手術した。麻酔が完全にさめてから、元の場所に戻すという。
水野さんは「無駄な殺生をなくすため、今回を機に猫と共存できる島にしていきたい」と話した。