【社説】首脳同士の顔合わせすら気まずい韓日関係が心配だ

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領と日本の安倍首相は7日から10日までの4日間にわたり、インドネシア・バリとブルネイでアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議、ASEAN(東南アジア諸国連合)プラス3(韓中日)首脳会議、東アジア首脳会議(EAS)と立て続けに同席した。朴大統領は今回、中国の習近平国家主席を含む8カ国の首脳と相次いで会談し、10日には米国のオバマ大統領の代わりに出席したケリー国務長官とも会談した。しかし朴大統領は日本からの会談要請には応じなかった。

 朴大統領と安倍首相は7日のAPEC首脳会議、8日の南太平洋島しょ国首脳らとの対話、10日のASEANプラス3首脳会議ですぐ隣の席に座っただけでなく、その後の宴席などでも何度も顔を合わせたという。それらの場面を撮影した写真を見れば、互いの気まずい雰囲気はすぐに見て取れる。韓国政府の関係者らは一様に「二人が顔を合わせると安倍首相が朴大統領に先に言葉を掛け、少しの間対話を行っていた」と明かしている。地理的に最も近い友好国だった両国が、今いかなる状況にあるのかここから十分に理解できる。事実上の外交断絶状態にあると言っても過言ではないだろう。

 政治的次元とはまた別に、両国の経済、社会、文化、観光などの分野での交流は今も拡大を続けている。北朝鮮の核問題をはじめとする東北アジアの安全保障問題でも、両国の協力は何としても必要だ。しかし現時点では関係改善を実現する外交面での接点が見当たらない。両国がこのように互いに顔を背け、それぞれの道を進もうとしたとき、この状況をひそかに喜ぶのは誰なのかをしっかりと考えておかねばならない。

 安倍内閣はまず隣国を刺激する行動を直ちに中断しなければならない。日本の極右勢力が日本の遠い未来を保障してくれるわけではない。安倍内閣は長い目で見た日本の国益にマイナスをもたらしている極右勢力から直ちに解放されなければならない。その上で日本国民に対し、本当に日本のためになる道について真実を語らねばならない。

 朴槿恵政権も同様で、まず国家間の関係においては「見える外交ルート」と「見えない外交ルート」を同時に活用すべき点を認識しなければならない。今はっきりしていることは、韓日関係があまりにも異常な状況にあることと、この状況は最終的に双方にとって良くない結果をもたらすということだ。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース