教程解説 Part4、5 指導活動の構成 奥田英二 委員長
今までの教程は57ページありました。今回は17ページとほぼ1/4になり、とてもコンパクトになりました。また、いままでの教程は、検定制度が1発検定でしたが、今回からは、単位制の導入で、指導者を育成していくという検定に変わりました。その中で、どんな方法で養成を行うのか、それに見合う内容を必要としました。
奥田英二委員長
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学習指導に主体を
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あくまで学習者を中心に
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■コンセプトは、技術指導と学習指導が分けられていること
今回のコンセプトとしては、技術指導と学習指導が分けられています。スキーの目的は、スキーの楽しさを知り継続していくということで、スキーヤーを育てるということです。ですから、学習指導に主体を置いていただきたいと思います。教程112Pぜひ確認していただきたいポイントです。
スキーの学習指導ですが、中核となるのは、やはり技術です。学習の中核となる技術を扱うのが技術指導です。しかし、技術は手段ということで、目的ではありません。そういった観点、視点をもって読んでいただきたい。
具体的に、指導場面においてどういったことを言っているのか、実際を想定していただければ、理解が早いと考えております。
求められるスキー指導者像は、技術力とともに、指導者の製品力を高めるためのパートと捕らえてください。
■スキーに興味を持ってもらい、主体的な学習展開をお願いしたい
スキーの指導者、生涯学習にかかわる指導者は2つの側面を持っております。1つは技術学習を中心とした講師的存在で、インストラクターとしての役割。もう1つは、スキー学習の主体者がお客さん、学習者であるということであれば、その顧客のスキー学習を支援するという立場、マネジャー的存在、役割を持つことが考えられます。
指導員研修会などにおきましては、こういった項目がテーマになると考えています。どんな指導場面にも当てはまるような画一的なモデルはありません。したがって、指導者は応用力や創意工夫が必要になってくるわけです。
技術指導に熱心な指導者ほど、先を急ぎます。少しでも習得させたい、早く滑らせたいという願いもありますが、そのあまり、進める中で非常に否定的な言葉を使うことがあります。「駄目」だとか「どうして出来ない」とか。言ても聞かない場合は、「俺の言っていること聞いているのか」と否定的な言葉が出てきます。反抗されているような、指導者自身も惨めな気持ちになってしまうことがあります。
やはり、学習指導ということで考えた場合、あくまで学習者を中心に考えた場合、その方法が適切だったのか、説明を理解してもらったのか、伝わっていなかったのではないか、技術に追いついていないなどと、118ページの
スパイラル学習過程がありますが、戻てみるという方法もあるのです。対象者に応じた個別的な課題が必要であり、大切なのです。
教程の130ページには、表6: 学習者による評価の例(限定尺度表)があります。この表を用いてみてください。スキー学習は。学習者に興味をもっていただかないと難しいです。ぜひ、主体的な学習が展開できるようにお願いします。
■用語は、本文中の取扱いがなくても指導者として必要なものを取り込んだ
従来の用語解説は、本文中に出てくる用語に対してのものでしたが、今回は、本文中に取り扱っていなくても、スキー指導者として知っていなければならないものが取り込まれています。
例えば、前教程でのバイオメカニズムなどは、用語として取り扱い、股関節の前傾、軸運動などを取り上げています。
用語から学ぶスキー技術、用語から学ぶスキー指導、この面では、充足されるべき項目だと思っております。
[10月11日付 教育広報委員会 上田英之]
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