素肌美人を作るスキンケア商品を販売
「あきゅらいず美養品」代表の南沢典子さんは、年中スッピンで過ごすらしい。取材の日も彼女はスッピンで、「でも、マスカラは少しだけ塗りました」と笑った。肌がキレイで10歳くらい若く見える南沢さんは、1967年生まれ、2児の母でもある。
同社の役員が「奇想天外で、心の壁がなく、辛いときも楽しそうに仕事をしている人」だと言う南沢さんのストレートな性格は、社風にも表われているらしい。
「あきゅらいず美養品」の商品は、洗顔石鹸『泡石』、肌クリーム『秀クリーム』、角質除去クリーム『優すくらぶ』などのスキンケア製品で、肌質によって使い分ける必要がない。南沢さんは、「誰でも、これ一つ使えば良い」というシンプルケアを提唱している。
やんちゃな子ども時代
南沢さんは、子どもの頃からユニークな人だ。小学生の頃、家庭訪問で先生達に決まって言われたのは「変わったお子さんですね。私の教師人生でこのようなお子さんは初めてです」。
中学校に入ると、当時流行っていた“なめ猫”に憧れ、不良になった。「何事も、中途半端は格好良くない」と、南沢さんは頭にソリ込みまで入れていたらしい。
化粧品会社の美容部員に
高校卒業後、大手化粧品会社に入社し、美容部員になった。入社式のとき、新入社員の抱負発表で、「将来、社長になりたいです!」と元気良く応え、周りに驚かれたそうだ。
毎日、百貨店の化粧品売り場に立ち、お客様の肌の悩みに触れた。シミ、シワ、くすみ……、女性はいろいろな肌のトラブルに悩まされていた。それぞれの肌に合う製品を提供したかったが、次々と出る新製品を販売しなければならないことが辛かったと言う。
仕事は楽しかったが、「美容は化粧だけでなく、全身で表現するもの」と思い立ち、ファッションに関心を持った南沢さん。化粧品会社に勤務して5年目、ファッションを勉強するために海外へ飛び立ち、半年間滞在した。帰国後、「女性の体型に合ったセミオーダースーツを作りたい」と、婦人服、紳士服それぞれのパターンを学ぶ専門学校に通った。銀座にある老舗洋服店でパタンナーとして働いた後、以前勤めた化粧品会社から、「復帰しないか?」と声がかかり、もう一度、化粧品業界で働くことにした。
「自分しか実現できないことがしたい!」
化粧品会社に復職したが、「私がこの会社を辞めても、会社は潰れない。私の存在意義って何だろう? 自分がいないとできないことを実現したい!」と、南沢さんは考え直した。
そんなとき転職雑誌で目にしたのが、「化粧品の企画開発者募集」という記事だった。34歳だった南沢さんは、自分の可能性を探して、新たな挑戦を始めた。