TPP重要5項目:「聖域」に関税は? 自民党が検討了承

毎日新聞 2013年10月11日 00時32分(最終更新 10月11日 01時28分)

自民党外交・経済連携本部・TPP対策委員会合同会議冒頭にあいさつする甘利明経済再生担当相(左)。右からは西川公也TPP対策委員長、石破茂幹事長、衛藤征士郎外交・経済連携本部長=藤井太郎撮影
自民党外交・経済連携本部・TPP対策委員会合同会議冒頭にあいさつする甘利明経済再生担当相(左)。右からは西川公也TPP対策委員長、石破茂幹事長、衛藤征士郎外交・経済連携本部長=藤井太郎撮影

 自民党は10日、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉をめぐってTPP対策委員会などの合同会議を開き、コメや麦など農産物の「重要5項目」を細分化した586品目について、11月中旬をめどに関税の必要性を検証することを決めた。安倍晋三首相は10日、党公約を堅持すると強調。一部の関税撤廃を検討すると発言した西川公也TPP対策委員長も足並みをそろえ、検証開始の了承を取り付けた。ただ、検証が「なし崩し譲歩」の地ならしにならないか、との警戒は強まっている。

 「公約を守る前提で、重要品目も含めて精査させていただきたい」

 西川氏は合同会議で検証作業を進める方針を説明。同席した石破茂幹事長も「同志が公約を破ることはない」と理解を求めた。

 西川氏は6日、TPP交渉閣僚会合が開かれたインドネシアで記者団に「(重要5項目の中で関税維持の分野から)抜けるか抜けないかの(品目ごとの)検討はさせてもらわないといけない」と発言。帰国した9日も「最初の政府提案は低い自由化率だが、これから上がっていく」と述べ、586品目でも譲歩が避けられない見通しを示し、党内に疑念や反発が強まった。

 「火消し」に追われた石破氏は10日、合同会議に先立ち、西川氏と会談し「聖域堅持」の方向を確認。西川氏も農水族幹部への事前説明に奔走した。

 さらに西川氏は、合同会議で自らの発言について「公約を守るために全力で取り組む。この前提のもとに、重要品目も含めて全般にわたって精査をさせていただきたいということをお願いした」と説明。出席者から「何がなんでも5項目を守ってほしい」との声が上がると「必ず党決議を守り抜く」と訴えた。

 ただ、安倍政権は貿易自由化を経済政策の柱に掲げており、聖域の関税撤廃の可能性に言及した西川氏の発言を「当然」(首相周辺)と見る向きもある。 さらに、合同会議で西村康稔副内閣相が「日本は(自由化率を)もっと高いものを出せと言われているのは事実」と発言し、交渉参加国からの要求にさらされていることを示唆した。全国農業協同組合中央会出身の山田俊男参院議員は合同会議後、記者団に「政府から情報開示がなされない中で、責任を持った検証なんかできるのか」と不満を吐露した。【横田愛】

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