ブラジル中銀:政策金利を9.5%に引き上げ-インフレ抑制狙う
10月9日(ブルームバーグ):ブラジル中央銀行は9日の金融政策委員会で、政策金利を0.5ポイント引き上げ、9.5%とすることを決めた。利上げは5会合連続。通貨安でインフレ抑制努力が損なわれている。
ブルームバーグがエコノミスト49人を対象に行った調査では、全員が今回の結果を予想していた。中銀は8月の声明文の文言を繰り返す形で、利上げは来年のインフレ率を鈍化させるためだと説明した。同中銀は4月以来、政策金利を計2.25ポイント引き上げている。
中銀が今年これまでに実施した利上げ幅はブルームバーグが調査対象とする49カ国で最大。インフレ率は目標レンジの中央値4.5%を3年間上回ったままで、中銀はインフレ抑制に取り組んでいる。通貨レアルのこの半年間の下落率も主要通貨で最大となっており、アナリストの間では中銀が来年、インフレ率を鈍化させることは困難との見方が強まっている。
ブラジルみずほ銀行のチーフストラテジスト、ルシアノ・ロスターニョ氏は「インフレ率は高水準で目標を大きく上回っている。レアル安が今後数カ月のインフレ圧力になり得るリスクも依然ある」と述べた。
9日のサンパウロ市場では、スワップ金利(2015年1月限)が1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の10.09%。レアルは0.2%高の1ドル=2.2073レアル。
同日発表された9月の拡大消費者物価指数(IPCA )は前年同月比5.86%上昇と、前年比ベースで9カ月ぶりの低い伸びにとどまった。前月比では0.35%上昇に加速し、4カ月ぶりの高水準となった。
スワップ金利は、中銀が来年11.25%まで利上げすると市場で見込まれていることを示している。
グラジュアル・インベスチメントスのチーフエコノミスト、アンドレ・ペルフェイト氏はこの日の金融政策決定前の電話取材に対し「今の主な問題は今年ではなく来年のインフレだ」とした上で「インフレ率が高水準にととどまっており、中銀の対応はうまくいっていない」と語った。
原題:Brazil Extends Record Rate Lift as Inflation OutlookWorsens (1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ブラジリア Matthew Malinowski mmalinowski@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Andre Soliani asoliani@bloomberg.net
更新日時: 2013/10/10 11:47 JST