債券先物は反発、30年債入札順調で買い優勢-円安・国内株高が重し
10月10日(ブルームバーグ):債券先物相場は小幅反発。午後発表された30年債入札結果が順調だったことを受け、買いが優勢となった。半面、外国為替市場での円安基調や国内株高が相場の重しとなった。
東京先物市場で中心限月の12月物は前日比1銭安の144円37銭で開始し、午前はもみ合いとなった。午後の入札結果発表後に5銭高の144円43銭に上昇したが、株高 を嫌気して1時すぎには144円33銭まで下落。その後は持ち直し、結局は1銭高の144円39銭で引けた。
大和証券の山本徹チーフストラテジストは、経済・物価動向を考慮すると「もう少し金利が上がっても不思議ではないが、需給が引き締まっている」と指摘。米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長にイエレン副議長が指名されたとの発表が、米低金利の長期化観測を通じた株高・円安を誘い、日本の国債相場に「若干の重しになった面はある」と語った。
現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の330回債利回りは同0.5ベーシスポイント(bp)高い0.655%で始まり、午前10時すぎに0.66%に上昇。午後1時半前から再び0.655%で推移した。5年物の114回債利回りは0.5bp低い0.225%に低下した。
20年物の146回債利回りは横ばいの1.505%で始まり、直後に1.51%に上昇したが、午後には1.50%に低下。2時すぎには再び0.5bp高い1.51%を付けた。30年物の40回債利回りは0.5bp高い1.635%で開始後、9時すぎに1.64%に上昇した。午後は横ばいの1.63%で推移し、3時前には0.5bp低い1.625%に低下した。
30年債入札、応札倍率上昇財務省がこの日実施した表面利率1.8%の30年利付債(40回債、10月発行)の入札結果によると、最低落札価格は103円35銭と市場予想を5銭上回った。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価格の差)は6銭と前回の14銭から縮小した。投資家需要の強さを示す応札倍率は4.07倍と前回の3.87倍から上昇した。
みずほ証券の三浦哲也チーフ債券ストラテジストは、きょうの30年債入札について「強めの結果となった。20年や30年債に買い戻しが入った」と話した。
東京外為市場で円は対ドルで下落。午後に入ると一時、1ドル=97円80銭台まで円が売られた。東京株式相場は続伸。TOPIX は前日比1%高の1177.95で引けた。
前日の米国債相場は下落。米10年国債利回り は前日比3bp上昇の2.66%程度。米債務上限引き上げ問題をめぐっては、デフォルト(債務不履行)の回避に向けた交渉が始まる可能性が残っている。9月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録によると、政策当局者の大半は債券購入ペースの縮小が年内に始まる可能性が高いとの認識を示した。
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更新日時: 2013/10/10 16:06 JST