内閣府が10日発表した8月の機械受注統計は、民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整値)が8193億円と前月に比べて5.4%増え、3カ月ぶりに増加に転じた。受注額はリーマン・ショックのあった2008年9月以来、4年11カ月ぶりの高水準で、リーマン・ショック後では最大となった。今後民間企業の設備投資が本格化する可能性が高まってきた。
内閣府は基調判断を2カ月ぶりに上方修正し、「緩やかに持ち直している」から「持ち直している」に変えた。8月の実績は日経グループのQUICKが9日時点で集計した民間エコノミストの予想(2.0%増)を大幅に上回った。
業種別に見ると、製造業は前月比0.8%増の3213億円だった。比較可能な05年度以来、初めて4カ月連続で前月を上回った。石油・石炭製品で100億円を超えるボイラーなど火水力原動機の発注があり、化学工業や造船業などからの受注が相次いだ。
船舶と電力を除く非製造業は前月比6.2%増の4910億円だった。金融・保険業や運輸・郵便業からの受注が大きく伸びた。
100億円を超える大型案件は外需や電力業からの受注を合わせて6件となった。特に外需としては大型案件のみで1000億円を超えた。
内閣府が8月時点で発表した7~9月期の見通しは前期比5.3%減としており、内閣府は「見通しを超えるためのハードルは低くなっている」としている。仮に9月の受注額が前月比14%減となったとしても、7~9月期は4~6月期の実績を上回る計算で、一転して前期比プラスになる可能性が高まった。
機械受注は国内総生産(GDP)の設備投資額に3~6カ月先行するとされる。機械受注が注文した段階で集計するのに対し、GDPでは設備が実際に導入された段階で計上するためだ。
来年4月の消費増税を受けた駆け込み需要や、世界経済の回復を受けた需要増により、今後も機械受注は順調に回復すると見込まれており、設備投資額も増加する見通し。
9月の日銀短観の設備投資計画では、上期は非製造業が多く、下期は製造業が多いと見込まれている。SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「設備投資のけん引役は、非製造業から製造業に移行するだろう」と指摘している。
機械受注、QUICK、SMBC日興証券
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