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【経済】

カネボウ 事業大幅縮小 白斑問題で花王が方針

 花王は八日、子会社のカネボウ化粧品(東京)の美白化粧品で肌がまだらに白くなる「白斑(はくはん)」の被害が相次いだ問題を受けて、カネボウの事業を大幅に縮小し、ブランドの運営に特化した会社に再編すると発表した。研究、生産などの部門を段階的に花王に集約する。

 花王は、二〇〇六年に買収したカネボウの独立性を尊重してきたが、この戦略がグループの一体化を遅らせた面もあった。今回の白斑問題でカネボウが早期発見の機会を逃し、一万四千人規模まで被害が膨らんだ反省から、花王主導で経営改革を進めることにした。

 ことし八月に品質保証や顧客対応の部門を統合したのに続き、来年一月には研究と生産両部門の組織統合に着手し、花王への集約を進める。将来的には販売部門も花王と統合する計画だ。

 カネボウには商品戦略の立案などの機能だけを残して、ブランド運営専門の会社として存続させる。吸収合併は検討していない。

 来年七月には、カネボウの小田原研究所(神奈川県小田原市)を花王小田原研究所とし、グループ全体の化粧品開発拠点に位置付ける。

 同時にカネボウの小田原工場(同)も花王が新設する子会社の運営に切り替える。同工場には、五十億〜六十億円程度を投じて生産能力を強化し、花王グループの化粧品生産を担えるようにする。人員整理は実施しない。

 花王は「(白斑問題は)カネボウだけで対応できる問題ではなく、これまで以上に強く経営に関与していく」(広報担当者)と説明している。

 

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