〔クロスマーケットアイ〕リスクマネジメントの買い戻し、国内勢の外債売りは期初の益出しか

2013年 10月 10日 16:10 JST
 
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[東京 10日 ロイター] - 米議会の対立は依然続いているが、株式やドルに売
り方のリスクマネジメントによる買い戻しが入っている。予算案の交渉は両党の政治的な
駆け引きの面が大きく、突如、合意に至る可能性も小さくないため、ポジションの一部を
中立にする動きが出やすいという。前週、国内勢の外債売り越しが過去最大だったことが
明らかになったが、米債の債務不履行(デフォルト)警戒よりも期初の益出しが主因との
見方が多い。
      
    <ショート過重はリスク>

    米議会の財政協議は、歩み寄りの動きも見え始めてきた。オバマ大統領は9日午後、
下院の民主党議員とホワイトハウスで協議。下院議員との直接協議を通じた説得に着手し
た。米債務のデフォルトリスクは、その確率が低下したとしても、消えない限りは「テー
ルリスク」として警戒を続けざるを得ない。
    だが、売り方としてもポジションを大きくショートに傾けておくには危険な状況にも
なってきた。
    
    「米議会の予算案妥結の確証が得られたわけではないが、いつ合意に至ってもおかし
くない状況でもある。売り方にとって大きくショートに傾けておくにはリスクが大きく、
ところどころでショートカバーが入る」と立花証券・顧問の平野憲一氏は指摘する。
    
    短期筋の買い戻しが入り、日経平均 は続伸。150円を超える上昇となり、
5営業日ぶりに一時、1万4200円台を回復した。東証1部売買代金は1兆7929億
円と薄商いで、盛り上がりは乏しいが、一部の大型株には海外実需筋の買いが入っている
との観測もある。「1万4000円を割り込んだ後、海外勢の押し目買いが入ってきたよ
うだ」(国内証券)という。
    
    ドル/円 も97円後半まで戻してきている。上値は依然として重いが、株高に
伴いリスクオンの円売りが入っているという。「次期米連邦準備理事会(FRB)議長に
指名されたイエレン氏の影響は市場の反応にも表れているが、米金利低下/ドル安効果よ
りも、リスクオンによる円安効果の方が大きいということだろう」と大和証券・投資戦略
部チーフ為替ストラテジストの亀岡裕次氏は指摘する。
    
       <米国債からの資金流出、まだみられず>
   
    一方、米国債のデフォルトリスクが警戒される中で、国内勢の外債売りが話題になっ
ている。財務省が10日に発表した9月29日─10月5日の対外債券投資(中期債、指
定報告機関ベース)は2兆2257億円の資本流入超と、2005年の現行の統計開始以
来、過去最大となった。

    米国債のリスク拡大を警戒して国内勢が米国債を売却した可能性もあるが、りそな銀
行・総合資金部チーフストラテジストの高梨彰氏は、国内金融機関による期初の益出し売
りだった可能性が高いとみている。「9月は米債相場も上昇していたので、下期入りでひ
とまず利益確定を狙ったのだろう。期初に利益をあげておけば運用担当者はひとまず安心
できる」という。
    
    実際、デフォルトリスクが意識されながら、その間の米10年債金利は2.628%
から2.645%とわずかに上昇しただけだった。「デフォルトリスクも確かに意識され
たが、米債市場ではリスク回避が強まる中で『安全資産』として米国債が買われるという
両面の反応だった」(三井住友アセットマネジメント債券運用グループ・シニアファンド
マネージャーの深代潤氏)という。米国債から本格的に資金が流出しているわけではない
。
   
    <相場の反発力は徐々に低下>

    ただ、米国債のデフォルトリスクは、めったに起こらない「テールリスク」としてと
らえられているとはいえ、徐々にマーケットに影響を及ぼし始めているのも確かだ。
    
    9日の米短期金融市場では、 米国がデフォルトに陥るとの懸念で動揺が広がる中、
レポ取引の翌日物金利が5カ月ぶりの高水準をつけた。トレーダーによると、一部のマネ
ー・マーケット・ファンド(MMF)や銀行は、今後数週間に償還を迎える米財務省証券
をレポ取引の担保として受け入れることを停止し始めている。
    
    MMFはまた、米短期証券(Tビル)の購入を敬遠する一方で売却を加速させている
。Tビル利回りは上昇を続けており、10月17日を償還日とするTビルの利回り91279
5Z87=は一時17.5ベーシスポイント(bp)上昇し、2008年以来の高水準となる
0.46%付近に達した。
        
    米国債は収益を生み出す有価証券としてだけではなく、その流動性と安全性から担保
として使われている。米長期金利はそれほど上昇しておらず、実体経済への影響はまだ軽
微だが、償還への警戒から短い金利が上昇しており、金融マーケットには少なからず影響
を与え始めている。
    
    米財政問題が長引けば長引くほど実体経済や金融マーケットへの影響は大きくなる。
財政問題が解決すれば、いったんドル/円や株価は上昇する見通しだが、解決までの時間
が長期化するほど、反発力も小さくなる可能性がある。
   
 <東京市場 10日>
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   日経平均      国債先物12月限      国債330回債    ドル/円(15:00)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  14194.71円           144.39円         0.655%        97.74/76円     
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   +156.87円            +0.01円        +0.005%        97.34/36円    
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
注:日経平均、国債先物、現物の価格は大引けの値。
    下段は前営業日終値比。為替はNY午後5時。
 
 
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*統計に基づく世論調査ではありません。