日本のインディーズゲームの多くはパソコン向けに開発されている。ただ、パソコンでゲームを遊ぶユーザー数は欧米市場に比べると少なく、インディーズゲームの出展ブースもここ数年は減少傾向にある。
■ゲームアプリは利益出しにくく
08年に米アップルのコンテンツ配信サービス「アップストア」が登場後、世界的にインディーズゲーム開発者はスマホ向けの開発に力を入れている。しかし、ゲームアプリは今や14万本を超えるほど競争が激しい市場だ。販売価格も下落圧力が強く、多くのゲームアプリは数百円程度に設定せざるを得ず、利益を出しにくい状況にある。
こうしたなか、インディーズゲーム各社の注目を集めたのが米マイクロソフトが家庭用ゲーム機「Xbox360」ユーザー向けに始めたオンサインサービス「ライブアーケード」だ。マイクロソフトが選抜したインディーズゲームを定期的に販売し、1000~2000円と販売価格も管理する。全世界で数十万本の販売に成功したインディーズがいくつもあり、高い実績を生んでいる。
ただし、同サービスを通じて販売するためにはマイクロソフトの米本社と交渉しなければならず、日本のインディーズゲーム開発者にとってハードルは非常に高かった。
日本の多くのインディーズ開発者にも、自社独自でゲームをつくってビジネス化したいという潜在的なニーズはあったが、開発しても利益を生みだす方法が事実上なかったといえるだろう。
■インディーズ担当部署を新設
ところが、今年9月に開かれた「東京ゲームショウ(TGS)」では、初めてインディーズゲームの展示ブースが設けられた。国内外から約40のインディーズ開発者が参加して注目された。その際、インディーズを最も積極的に取り込もうという姿勢をみせたのがSCEだった。
同社は新型の家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)4」と「プレイステーションヴィータ(Vita)」向けのインディーズゲームを扱う専門部門を今年7月に日本で立ち上げ、インディーズ開発者の開拓やサポート強化に乗り出している。
TGSのSCEブースで来場者の話題を集めたゲームがある。パズルゲーム「オクトダッド:ダディスト キャッチ」で、PS4向けに発売されるゲームの一つだ。
ゲームの主人公は背広を着たタコの父親。ユーザーはコントローラーを使ってこのキャラクターを操作し、家の中を歩き回らせる。身体はフニャフニャで、操作性は極端に悪い。ゴール地点まで進もうとするが、体のどこかが家の中の物にぶつかってしまう。そこで体をひっくり返したりしながら進むことになる。
キャラクターの動きはきちんと物理的な演算処理がされているのだが、画面上ではとても奇妙で、まるで“冗談”のようにしか見えない。もともとゲーム開発業者ではなく、米デポール大学の学生が開発したゲームだが、PS4のインディーズゲームの目玉の一つに位置付けられるほど注目されているのだ。
ソニー・コンピュータエンタテインメント、マイクロソフト、Xbox360、インディーズゲーム、プレイステーション
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