今週の軍事関連ニュース (2013/10/11)
 

| 一般ニュース | 産業・装備・調達 | 人事・組織 | 戦争・紛争 | こぼれ話 |


一般ニュース

今日のニュースいろいろ
  • IMF (International Monetary Fund) が厳しい融資条件を課している状況から、2009 年に 14 億ドルで発注を決めた J-10B Vigorous Dragon の調達計画などに不透明感が。戦闘機経験者でテストパイロットも務めた Kaiser Tufail 退役准将は「新規の装備調達は、2-3 年間は難しい」「費用対効果の観点からすると、3-4 個飛行隊は揃える必要がある。未知の機体を 1 個飛行隊分調達するよりも、実績がある F-16C の方が好ましい」との見解。(DefenseNews 2013/10/9)
  • そのパキスタンで、陸軍参謀総長の Ashfaq Parvez Kayani 大将が 2013/10/6 に「2013/11/29 付で退役する」と発表。参謀総長 (C-JCSC : Joint Chiefs of Staff Committee) の Khalid Shameem Wynne 大将も 2013/10/7 に退役した。(DefenseNews 2013/10/9)
  • 台湾立法院の Lin Yu-fang 議員が声明を出して明らかにしたところによると、国有企業 CPC Corp. のスタッフを Spratly Islands の Taipin に送り込んで、2013/10/7 に石油や天然ガスの探査を実施したとのこと。翌日の午後に調査を終えて撤収したが、その際に海軍の揚陸艦とフリゲートが護衛についたとの話も。Taiping は台湾が確保している島嶼で、台湾の海岸線から 1,400km、2013 年の初頭に新しい迫撃砲と防空システムを送り込んだことから、ベトナムの反発を買った。今回の件も、新たな対立の火種になる可能性が指摘されている。(DefenseNews 2013/10/9)
  • 2003 年に "Sledgehammer" というコードネームのクーデターを計画していたとして、トルコで多数の軍人が有罪判決を受けた件について、控訴裁が数ダースの下級士官について有罪判決を破棄した。(DefenseNews 2013/10/9)
  • EDA (European Defence Agency) は、「オーストリア、ベルギー、ドイツ、アイルランド、イタリアの 5 ヶ国が IED (Improvised Explosive Device) 対策のための LoI (Letter of Intent) に調印した」と発表した。IED 対策テクニック (MNT : Manual Neutralisation Techniques) を身につけるための訓練課程と演習について、各国でリソースを共用しようというもので、"Pooling & Sharing Countering IED Training" 構想の下、オーストリアが主導する形で話を進めていた。(EDA 2013/10/8)
  • カナダ国防省は、効率改善による経費節減によって資金を捻出して、それを第一線に回す構想をスタートさせた。具体的な手法としては、予測精度改善によるスペアパーツの在庫最適化、契約の簡素化や調達の統合化、情報システムの改善などを挙げている。人員削減を企図するものではないが、再配置の可能性はあるとの説明。カナダでは 2006 年以降に 45 億カナダドルの国防予算上積みを図っているが、さらに 2017-2018 年までに年間 7 億 5,000 万〜12 億カナダドルの節減を図りたいとしている。(Canadian DND 2013/10/7)
  • Antonis Samaras 希首相と会談したイスラエルの Benjamin Netanyahu 首相が 2013/10/8 に、「現実の停止を伴わずに対イラン制裁を緩和すれば、核兵器の獲得につながる」として、「イランの核開発計画を解体するまで制裁を続ける必要がある」と主張した。(SpaceWar 2013/10/8)

今日のニュースいろいろ
  • 韓国の情報機関 NIS (National Intelligence Service) が議会に、北朝鮮・寧辺 Yongbyon のプルトニウム炉が再稼働している、とする報告書を提出した。先に JHU (Johns Hopkins University) の US-Korea Institute がリリースした報告を裏付けた形。(DefenseNews 2013/10/8)
  • その北朝鮮は、日米韓の海軍による合同演習に反発して「破滅的な結果をもたらす。予期せぬ事態が起きれば、その責任はすべてアメリカにある」との声明をリリース、人民軍は「いつでも作戦行動を開始できるように、即応体制に就くよう兵士に指示した」と発表。ただし韓国では、「今回の動きは今年の初めになされたものよりも穏当で、演習の一件に国際社会の耳目を集めるのが目的」との指摘が出ている。なお、件の演習は台風の接近によって延期となっている。海自からは「いせ」と「はるゆき」が参加。(DefenseNews 2013/10/8)
  • インドで 2012 年に Naresh Chandra Committee が、独立した特殊作戦部隊 (Special Forces Command) の創設を勧告したが、軍関係者などからの反発もあってか、2014 年に予定している総選挙後の次期政権に先送り。(DefenseNews 2013/10/8)
  • 一方、トルコでは「地政学的状況からいって非対称戦の脅威が大きい」として、特殊作戦部隊に力を入れる方針。装備調達の強化に加えて、UAV の活用も謳っている。(DefenseNews 2013/10/8)
  • デンマークは 2012 年 10 月に、Greenland に司令部を置く JAC (Joint Arctic Command) を設立、まず Faroe Islands と Greenland を中心とする警戒監視能力の強化に乗り出した。さらに、訓練強化や特殊作戦部隊の展開も計画している。さらに 2010-2014 年を対象とする国防合意 (National Defense Agreement) では、4 つの目標のひとつとして ARF (Arctic Response Force) の創設を提唱している。(DefenseNews 2013/10/8)
  • 台湾国防部が、2013 年版の国防報告書 (2013 National Defence Report) をリリース、その中で「過去 20 年間に渡る国防費の 2 桁成長と軍事力強化により、中国は 2020 年までに台湾侵攻に必要な能力を備える」との見通しを示した。一方で、アメリカはアジア太平洋シフトを掲げているものの、「予算状況が原因で窒息状態」とも指摘。(DefenseNews 2013/10/8)
  • 汚職疑惑に絡んでインドで VVIP ヘリの調達案件がストップしている件について、AgustaWestland が調停を申し立てたものの、空軍は「それは国防省の管轄だから」としており、当の国防省もこの件から距離を置いて、コメントも拒否している状況。(IHS Jane's 360 2013/10/7)
  • インドの SFC (Strategic Forces Command) が Orissa 州の Chandipur 近くにある試験場で、Prithvi II 弾道ミサイルの試射を実施した。訓練目的で、所定の成果は達成できたとのこと。(Press Information Bureau of India 2013/10/7)

今日のニュースいろいろ
  • 2013/10/7 にリビアの Tripoli で、丸腰の兵士が首相官邸を占拠して、未払いの給与を支払うよう求める抗議活動を展開した。Ali Zeidan 首相は、前日からモロッコを訪問していて不在。リビアでは以前から、反政府勢力を編入した国軍兵士が給与支払を求める運動を起こしている。(DefenseNews 2013/10/7)
  • そのリビアの駐米武官・Ibrahim El Fortia 大佐が 2013/10/3 に米国商工会議所で、リビアの防衛関連市場に関する説明会を実施した。ロー ファームの Patton Boggs が主催したもの。同大佐は 2011 年に国防副大臣を務めていた人物で、「Moammar Gadhafi 大佐政権の打倒に貢献したことからアメリカ企業にも門戸を開きたい」としている。ところが、アメリカ側では政情不安定を理由にリビアの件がタブーとなっている状況で、欧州勢と違って、ただちに積極的に参入することにはならない模様。(DefenseNews 2013/10/7)
  • ギリシアの Akis Tsochatzopoulos 元国防相 (73) が、受け取った賄賂をマネーロンダリングしていたとして 20 年間のブタ箱入り判決を受けた。ただし高齢に鑑み、2 年間の服役で釈放されるとの話もある。1996-2001 年にかけての在職中に、AFV・潜水艦・対空ミサイルといった装備の調達に絡んで受け取った 600 万ユーロ (810 万ドル) の賄賂が対象とのこと。元国防相の妻など 16 名も有罪判決を受けた一方で、2 名は無罪に。(DefenseNews 2013/10/7)
  • サウジ国営 SPA 通信によると、Jean-Yves Le Drian 仏国防相とサウジアラビアの国防相・Prince Salman bin Abdul Aziz が 2013/10/7 に会談したとのこと。議題は軍事面・防衛産業面の協力で、フランス側の説明では、フリゲート×4 隻と補給艦×2 隻のアップグレード改修 (11 億ユーロ / 14 億 9,000 万ドル) については 2013/10/7 付で発効したとのこと。それとは別に、防空網の近代化を図る 20 億ユーロ (27 億 2,000 万ドル) の案件についても折衝中。仏国防相のサウジ訪問は、2012 年 5 月以降では 3 回目。(DefenseNews 2013/10/7)
  • Maariv 紙の報道によると、アメリカの国防支出削減で Arrow-3 ミサイルの開発資金援助・5,500 万ドルを喪失する可能性があり、しかも自国の予算では穴を埋められない状況であることから、Binyamin Netanyahu 首相が資金援助の確保を図っている最中とのこと。Arrow-3 の担当メーカーは IAI (Israel Aerospace Industries Ltd.) と Boeing Co.。(SpaceWar 2013/10/4)
  • 英仏両国の空軍から精鋭が集まり、アメリカ・カナダ・ドイツからの参加も得て、2013/10/6 から 11 日間の予定で合同演習 "Capable Eagle" を開始した。場所は RAF Leeming (North Yorkshire)、イギリスからは Typhoon、フランスからは Mirage 2000N が参加する。GPS (Global Positioning System) が妨害された環境下での作戦行動などを演練する予定。このほか、英空軍 (RAF : Royal Air Force) の JFAC (Joint Force Air Component) が仏空軍からの増援要員を交えて RAF High Wycombe (Buckinghamshire) で、指揮統制演習 (Joint Warrior Exercise) を実施する。こちらの参加内容は以下の通り。
    • 空中給油機、Tornado GR.4、Typhoon、Hawk (RAF)
    • Mirage 2000 F5、C-135FR、Mirage 2000N (FAF)
    • 洋上哨戒機 (米加仏独)
    こちらの計画立案は JTEPS (Joint Tactical Exercise Planning Staff, Northwood HQ, London) に属する英海空軍の要員が担当した。(MoD UK 2013/10/6)
  • ギリシア空軍が 2013/10/8-9 にかけて、イスラエル空軍 (IAF : Israel Air Force) の F-15 や F-16 と合同訓練を実施する。これは両国で締結している軍事協力プログラム (Military Cooperation Program) に基づいて実施するもの。2013/10/16 にはイスラエルの給油機を使った空中給油の演習も予定している。(newgreektv.com 2013/10/4)

| 先頭に戻る |


産業・装備・調達

最近のニュースいろいろ
  • 韓国の DAPA (Defense Acquisition Program Administration) が、艦載用 IRST (Infrared Search and Track) の開発について明らかにした。ADD (Agency for Defense Development) と Samsung Thales Co. が 190 億ウォン (1,770 万ドル) の予算を組んで開発を進めているもので、国産技術による状況認識の改善を企図、2017 年の配備開始を目指している由。当局では「艦載センサーを自国で開発するのはフランス・オランダに次いで三番目」と説明。(聯合ニュース 2013/10/8)
  • トルコ軍の調達部門・SSM (Savunma Sanayii Mustesarligi / Undersecratariat for Defence Industries) が 2013/10/7 に、国内開発を進めている防空システム・HiSAR-A の試射を Central Anatolia の Tuz Golu で実施したことを明らかにした。2011 年に Aselsan に 7 億 1,750 万トルコリラ (4 億 4,760 万ドル) の契約を発注していたもので「あらゆる種類の経空脅威に対応可能」だとしている。(Hurriyet Daily News 2013/10/9)
  • Dayton Daily News によると、1 ダースほどの C-27J が AMARC (Aerospace Maintenance and Regeneration Center) に送られたとのこと。予算削減で用途廃止になった現役の機体だけでなく、製作中の 5 機も同じ運命を辿ることになる模様。2007 年以降、5 億 6,700 万ドルを支出して C-27J×21 機を発注、うち 16 機がデリバリー済みとなっている。(DID 2013/10/9)
  • Sofradir が、国の研究機関・Onera との間で 5 年間のパートナーシップ合意 (PRI : Partner Research Innovation) を締結した。国の研究機関が持つノウハウを民間に移転して商用化を図ったり、熱線映像装置に関する新技術の研究を進めたりするのが目的。(DefenseNews 2013/10/8)
  • カナダの特殊作戦部隊を統括する CANSOFCOM (Canadian Special Operations Forces Command) は 2008 年に、HMMWV (High Mobility Multi-Purpose Wheeled Vehicle)代替用の新型車両×100 両を調達する計画を立てたが、唯一 Lockheed Martin Corp. が HMT 400 を提案して、しかも要求を満たせないとして蹴られたため、2010 年に頓挫。このときの要求が非現実的だったということで、より柔軟性を持たせたアプローチに切り替えて、既製品の調達を図りたい考えとのこと。(DefenseNews 2013/10/8)
  • 仏陸海軍で共用する NH90 Caiman の訓練施設は、NH90×6 機を配備、訓練の 80% をシミュレータでこなして、年間 200 名を養成する計画とのこと。(DID 2013/10/8)
  • Forecast International Inc. が、軽量級軍用回転翼機 (総重量 15,000lb 以下) の市場予測レポート "The Market for Light Military Rotorcraft," をリリースした。2013-2022 年の 10 年間で総数 1,411 機・総額 236 億ドルの需要を見込む。2006-2010 年にかけて需要が倍増したが、今後は需要の伸びが鈍化すると見込んでいる。(Forecast International 2013/10/7)
  • イラン革命防衛隊 (IRGC : Islamic Revolution Guards Corps) が「空中ならびに地上の目標を攻撃できる、Shahed-129 なる UCAV を製造中」と主張している由。2012 年 9 月に初公開した機体で、戦闘行動半径 1,000km、航続時間 24 時間とされるが、「Zelzal ロケットの精密誘導版」との説 (Defense Update) や「Hermes 450 のそっくりさん」との説が入り乱れている状況。これ以外にも Raad-85 や Farsi など、最近のイランでは「国産 UAV」をアピールする事例が目立つ。(SpaceWar 2013/10/7)
  • 米海軍の JHSV (Joint High Speed Vessel) 1 番艦・USS Spearhead (JHSV-1) が、IOT&E (Initial Operational Test and Evaluation) と生存性関連試験 (Total Ship Survivability Trial) を終了した。その際、米海兵隊・第 2 海兵聯隊・第 1 大隊、第 2 軽装甲偵察大隊、第 2 両用強襲大隊が参加、Morehead City (NC) と Naval Station Mayport (FL) の間を往復しながら各種の試験を実施した。(DID 2013/10/8)
  • 米陸軍工兵隊は 2013/10/24 にカンザス州 Wichita で、KC-46A 受け入れのための施設建設に関する説明会を開催する予定。一方、米アフリカ軍 (USAFRICOM : US Africa Command) は、2013/12/9-10 にかけて実施を予定していた産業界向け説明会をキャンセルした。(DID 2013/10/7-8)
  • 露国防省は、S-400 Triumf (SA-21 Growler) を装備する 3 個目の聯隊が年内に Moscow 近隣で実働可能になる、と発表した。現時点で 5 個聯隊があり、Moscow 近隣に 2 個、Nakhodka (Primorye Territory 東部)・Kaliningrad・南部軍管区にそれぞれ 1 個ずつという配分。最大射程 400km、最大射高 40,000-50,000m。2020 年までに 28 個聯隊を揃える計画。(RIA Novosti 2013/10/7)
  • 2013/9/19 付で、米海軍の西海岸 F/A-18 FRS (Fleet Replacement Squadron)・VFA-122 が F/A-18A/B/C/D の運用を終了した。(Alert5 2013/10/8)

シンガポール向け FMS (DSCA 2013/10/8)
米国防安全保障協力局 (DSCA : Defense Security Cooperation Agency) は議会に対して、シンガポール向けに FMS (Foreign Military Sales) 経由で AN/TPQ-53(V) 対砲兵レーダーを輸出すると通告した。総額は 1 億 7,900 万ドル。内訳は以下の通り。
  • AN/TPQ-53(V) 対砲兵レーダー×6
  • ソフトウェア サポート、支援機材、シミュレータ、発電機、電源ユニット、文書類、スペアパーツ、補修用パーツ、実射訓練、通信支援機材、試験機材、試験作業、訓練、訓練機材、テクニカル/兵站支援業務
担当メーカーは Lockheed Martin Corp. (Syracuse, NY)。オフセットの設定はなし。

今日の報道発表 (北米編)
  • Raytheon Co. は、BGM-109 Tomahawk ブロック IV 巡航ミサイルを対象とする改良計画 (PIP : Product Improvement Program) の一環となる、ESM (Electronic Support Measures) シーカーのフィールド試験を成功裏に実施した。最新のアンテナとプロセッサにより、移動/固定を問わずに電波発信源の精確な位置標定が可能になる、としている。7 ヶ月がかりで、無響室で検証試験を実施したとのこと。(Raytheon 2013/10/7)
  • VSE Corp. は米陸軍予備役軍団 (USARC : Army Reserve Command) から、FIRST (Field and Installation Readiness Support Team) の契約×2 件を 2013 年 9 月に受注した。USARC 麾下の第 63 地域支援コマンド (RSC : Regional Support Command) と第 88 地域支援コマンドによる兵站即応支援計画 (Logistics Readiness Support) によるもので、装備品の整備や車両の運用、訓練支援などを担当するもの。いずれも基本契約 12 ヶ月・オプション契約 12 ヶ月。同社は 2013/8/23 に R2-3G (Rapid Response Third Generation) の契約も得ているが、今回の件も含めて 2013 年 7 月に契約した GSA (General Services Administration) タスク オーダーの関連。(VSE 2013/10/7)
  • Diane Finley 加公共事業相らは、カナダ沿岸警備隊向けの多用途船×10 隻を Vancouver Shipyards に発注したことを明らかにした。非戦闘用で、総額 33 億カナダドル。NSPS (National Shipbuilding Procurement Strategy) の一環で、航洋中型多用途巡視船×5 隻と OPV (Offshore Patrol Vessel)×5 隻という内訳。すでに、Vancouver Shipyards には以下のフネを発注済み。
    • Offshore Fisheries Science Vessels
    • Offshore Oceanographic Science Vessel
    • Polar Icebreaker
    (PWGSC : Public Works and Government Services Canada 2013/10/7)
  • GDC4S (General Dynamics C4 Systems) 傘下の General Dynamics Canada が、カナダ国防軍向けにコンピュータ ネットワークの統合防衛システムを開発することになった。計画名称は ARMOUR、DRDC (Defence Research and Development Canada) が概念をまとめた自動化防衛システムで、まずは開発と実証の作業を行う。(General Dynamics Canada 2013/10/7)

今日の報道発表 (その他編)
  • Embraer (Empresa Brasileira de Aeronautica S.A.) が、A-1M 攻撃機と E-99 早期警戒機に搭載する IFF (Identification Friend or Foe) トランスポンダーとして、Thales 製 TSC 2030 と TSC 2050 の採用を決めた。全部で 48 機に導入する。2 機種とも BlueGate 製品ラインに属しており、NATO の MKXA 規格や ICAO (International Civil Aviation Organisation) の規定に対応。(Thales 2013/10/8)
  • Cassidian 傘下の Cassidian CyberSecurity が、いわゆる APT (Advanced Persistent Threat) 系のサイバー攻撃に対応するグローバル サービス・Keelback をローンチした。探知手段とソフトウェアの組み合わせで、リアルタイムで脅威を特定して即時対応行動をとるもので、ナレッジ データベースは逐次更新する。(Cassidian 2013/10/8)
  • オーストラリア海軍 (RAN : Royal Australian Navy) で、MU90 短魚雷が最終試験を済ませて Operational Release Status を達成、まず ANZAC フリゲートで実働を開始する運びとなった。担当しているのは Djimindi Alliance で、これは DMO (Defence Materiel Organisation) と、メーカーの Thales Australia ならびに EuroTorp で構成するアライアンス。(Thales 2013/10/8)
  • David Johnston 豪国防相は、オーストラリア海軍 (RAN : Royal Australian Navy) ならびに米海軍向けとして DMO (Defence Materiel Organisation) が 3,500 万豪ドルの契約を締結した、と発表した。BAE Systems によると、これは第 15 次にあたる Nulka の年次契約とのこと。豪国防省によると、Nulka はこれまでにオーストラリア・アメリカ・カナダで合計 16 隻の艦に導入、デコイは 1,200 発超をデリバリー、年間 4,000 万豪ドルの輸出につながっているとのこと。なお、電子戦ペイロードは Lockheed Martin Sippican、発射・浮揚用のロケット モーターは Aerojet Rocketdyne の担当。(Australian DoD 2013/10/7, BAE Systems 2013/10/8)
  • AWD (Air Warfare Destroyer) の 1 番艦・HMS Hobert で AN/SPY-1 レーダーを設置する塔屋の据え付けが行われた。レーダーを正しく機能させるために精確さが求められることから、複雑なブロックになる、との説明。(Australian DoD 2013/10/8)
  • 豪国防省の研究部門・DSTO (Defence Science and Technology Organisation) が Thales Australia との間でアライアンスを編成した。兵装、水中戦、陸戦兵器といった分野を対象として、共同で作業を進めることを企図している。また、Saab Systems との間でも、ANZAC フリゲートの 9LV Mk.3 指揮管制装置を対象とする研究を進めるためにアライアンスを編成した。このほか、DSTO は ASC との間でもパートナーシップ合意を締結している。(Australian DoD 2013/10/8-9, IHS Jane's 360 2013/10/7)
  • Thales UK は 2013/10/7 に、Watchkeeper UAS (Unmanned Air System) が MAA (Military Aviation Authority) から STDA (Statement of Type Design Assurance) のリリースを受けたと発表した。これは、機体とソフトウェアが安全性と整合性に関して受容可能なレベルを達成したという意味で、就役 (RTS : Release To Service) に向けたステップのひとつ。MAA が UAS に STDA をリリースしたのは、Watchkeeper が最初とのこと。(Thales 2013/10/7)
  • Saab AB は、84mm 無反動砲 Carl-Gustaf の砲弾で使用するコンポーネントに関する契約を受注した。基本契約 4 億 3,400 万クローネ、オプション契約 1 億 1,400 万クローネ。カスタマーは明らかにしていない。(Saab 2013/10/7)
  • BAE Systems がオマーン海軍 (RNO : Royal Navy of Oman) から受注している Khareef 級コルベットの 1 番艦・Al Shamikh が、オマーンの Said bin Sultan Naval Base に到着、Sayyid Badr bin Saud al Busaidi 国防相らによる出迎えを受けた。イギリスで建造して現地に回航したもの。(BAE Systems 2013/10/8)

今日の報道発表 (北米編)
  • ITT Excelis Inc. は米海軍 SSC (Space and Naval Warfare Systems Center) San Diego 麾下の Fleet Readiness Directorate から、C4I (Command, Control, Communication, Computers and Intelligence) 分野のエンジニアリング サポート業務契約・FSET (Fleet Systems Engineering Team) を 1 億 2,180 万ドルで受注した。SeaPort-E 案件のひとつで、2018 年 9 月までの 5 年契約。(ITT Excelis 2013/10/7)
  • 2013/10/7-10 にかけて米陸軍の Army Maneuver Center of Excellence で開催する Robotics Limited Demonstration において、Northrop Grumman Corp. の中型 UGV・CaMEL (Carry-all Modular Equipment Landrover) がデモを行う。場所は Fort Benning の S-MET (Squad-Multipurpose Equipment Transport) コースで、使用するのは CaMEL プラットフォームを武装化した Mobile Armed Dismount Support System。CaMEL は、負傷者後送・弾薬輸送・対人地雷除去・ネットワーク中継・移動体通信プラットフォームなど、さまざまな用途に対応できるとしている。武装型は Mk.19 擲弾発射機・M2 重機関銃・M240 機関銃・M249 機関銃など 1,000lb の武器・弾薬を搭載可能。ディーゼル・エンジンとバッテリを組み合わせたハイブリッド駆動で、3.5gal の燃料で 20 時間の運用が可能、外部に電力を供給することもできる。(Northrop Grumman 2013/10/7)
  • Rolls-Royce plc は、T56 エンジンに関する以下の契約を受注した。
    • 米国防兵站局 (DLA : Defense Logistics Agency) から、約 1,000 機の C-130・P-3・C-2 が装備する T56 エンジンを対象とする、スペアパーツ供給、フィールド サポート、エンジニアリング サポートの契約を、6 年間4 億 600 万ドルで。
    • 米海軍から、E-2 が搭載する T56-A-427 エンジンの補修作業を 5 年間・9,000 万ドルで。初年度分は 1,700 万ドル
    (Rolls-Royce 2013/10/7)
  • カナダ空軍 (RCAF : Royal Canadian Air Force) が、以下の麾下部隊を NAWS (Naval Air Weapons Station) China Lake に派遣して、CF-18 用レーダー警報受信機 (RWR : Radar Warning Receiver) の試験を実施する。
    • 4th Wing (CFB Cold Lake, Alberta)
      • 409 Tactical Fighter Squadron
      • Tactical Fighter (Operational Training) Squadron
      • 1 Air Maintenance Squadron)
      • AETE (Aerospace Engineering Test Establishment)
    • 3rd Wing (Bagotville, Quebec)
      • 425 Tactical Fighter Squadron
    • 3th Wing (Trenton, Ontario)
      • 8 Air Communication and Control Squadron
    410 Squadron 麾下の FOTEF (Flight Operations Test Evaluation Flight) が実施するもの。通常は AETE が Cold Lake で実施しているが、そこでは実施できない内容の試験を別の場所で行うこともあり、今回の件もそれ。(RCAF 2013/10/2)
  • GDC4S (General Dynamics C4 Systems) は米連邦航空局 (FAA : Federal Aviation Administration) から、航空交通管制 (ATM : Air Traffic Management) 用のソフトウェア制御型 VoIP UHF/VHF 通信機・CM-300/350 を 2,500 万ドルで受注した。周辺機器やトレーニング業務も契約に含む。NEXCOM (Next Generation Air-Ground Communications) Segment 2 契約の一環。(GDC4S 2013/10/7)

今日の報道発表 (その他編)
  • ニュージーランド国防省が、ニュージーランド海軍の ANZAC フリゲートに装備する個艦防空手段 (LAAD : Local Area Air Defence) として MBDA 製 Sea Ceptor の採用を決めたことを明らかにした。搭載対象は HMNZ Te Kaha と HMNZS Te Mana で、ANZAC FSU (Frigate System Upgrade) の一環。すでに英海軍 (RN : Royal Navy) は 2013/9/9 に、Seawolf の後継として Sea Ceptor を発注済みで、まず 23 型フリゲートに搭載する。将来は 26 型にも搭載する。(MBDA 2013/10/7)
  • その MBDA は「アジア太平洋地域における事業拠点」として、オーストラリアの Canberra に新しいオフィスを開設した。すでに、Rapier 地対空ミサイル、MILAN (Missile d'Infanterie Leger ANti-char) 対戦車ミサイル、AIM-132 ASRAAM (Advanced Short Range Air-to-Air Missile) といった製品がオーストラリアで使われている。(MBDA 2013/10/7)
  • 英国防省は Sensor Support Optimisation Project として、英海軍 (RN : Royal Navy) の Astute 級 SSN・Trafalgar 級 SSN・Vanguard 級 SSBN・45 型ミサイル駆逐艦・23 型フリゲートが搭載する各種センサーを対象とするサポート業務契約を発注した。総額 6 億ポンドで、従来方式の契約と比べると 10 年間で 1 億 4,000 万ポンドを節減できるとしている。また、530 名の雇用につながるとしており、そのうち 230 名が主契約社の Thales (Glasgow, Manchester, Somerset, Crawley)、残りがサプライヤー各社。(MoD UK 2013/10/4)
  • Jean- Yves Le Drian 仏国防相は、Atlantique 2 のアップグレード改修に関する発表と併せて、2012 年に Thales にスタディ契約を発注した CONTACT programme (COmmunications Numerisees TACtiques et de Theatre) について、フェーズ 2 の作業を開始すると発表した。PR4G などを代替する次世代通信機を開発するプログラムで、対外輸出も見込んでいるとの説明。(French MoD 2013/10/4)
  • Embraer (Empresa Brasileira de Aeronautica S.A.) 傘下の防衛部門・Embraer Defesa (Embraer Defesa e Seguranca S.A.) の子会社、Bradar (OrbiSat Industria e Aerolevantamento) が、リモートセンシングに関する契約を 3 件、総額 1,500 万ドル (3,600 万レアル) で受注した。
    • CPRM (Mineral Research and Resources Co.) から、地滑りや水害の可能性がある地域・90,000 平方キロ分のマッピング作業を受注。X バンドと P バンドの合成開口レーダー (SAR : Synthetic Aperture Radar) を使用
    • Belo Monte (State of Para) と Santo Antonio (State of Rondonia) の水力発電施設に関連する、環境保全のためのモニタリング
    (Embraer 2013/10/4)
  • Finmeccanica Sp.A の役員会が、傘下のエネルギー企業・Ansaldo Energia を Fondo Strategico Italiano に 7 億 7,700 万ユーロで売却する件を承認した。(Finmeccanica 2013/10/4)

| 先頭に戻る |


人事・組織

| 先頭に戻る |


戦争・紛争

最近のニュースいろいろ
  • OPCW (Organisation for the Prohibition of Chemical Weapons) では、シリアに第二のチームを送り込んで増強を図るとのこと。その化学兵器の廃棄処分について、OPCW のボス・ Ahmet Uzumcu 氏は「長く困難な作業になるだろう」とコメントしている一方で Vladimir Putin 露大統領は「シリアは積極的に協力している」と擁護している。そうこうしている合間にも、シリア政府軍は反政府勢力に対する爆撃などを継続中なので、潘基文 Ban Ki-moon 国連事務総長も 2013/10/7 に「査察チームが前例のない危険に直面している」と警告発言をしている。(SpaceWar 2013/10/8)
  • その OPCW の調査チームは、これまでに化学兵器や化学兵器の前駆体を保管している施設・20 ヶ所をリストアップしたが、立ち入り調査はまだ。現地入りできるかどうかは状況次第で、停戦が実現する必要があるとしている。(DefenseNews 2013/10/9)
  • インド陸軍は 2013/10/8 に、二週間にわたって Kashmir で実施していた戦闘任務を終了。一連の交戦で、反政府勢力側に 8 名の死者が出たとされる。指揮官の Sanjiv Chachra 中将は、重火器 59 点などを Keran 地区で押収した、と説明。(SpaceWar 2013/10/8)
  • コロンビア政府と FARC (Fuerzas Armadas Revolucionarias de Colombia) の和平協議について、FARC の折衝担当者・Ivan Marquez 氏が「Juan Carlos Pinzon 国防省が和平協議の足を引っ張っている」と非難している。(SpaceWar 2013/10/8)
  • カナダ海軍 (RCAF : Royal Canadian Navy) のフリゲート・HMCS Toronto (FFGHM 333) が 2013/10/5 に、HoA (Horn of Africa) の北東 500nm で不審船を発見。臨検を実施したところ、麻薬 180kg を発見した由。同艦は "Operation Artemis" に参加しており、7.8t の麻薬を発見した実績がある。(IHS Jane's 360 2013/10/7)
  • EU は HoA (Horn of Africa) における海賊対策の一環として、ソマリアに沿岸警備隊の設立を求めている。現在はこうした組織はなく、プントランドでも海洋警察があるだけ。EUCAP Nestor (EU regional maritime capacity-building mission) を率いる Etienne de Poncins 氏が明らかにしたもの。年末に、インド洋西部諸国や HoA 周辺諸国を対象とする訓練ミッションについて戦略評価を予定しており、その一環としてソマリアとの間で、この件について折衝するとしている。EUCAP Nextor の年間予算は 2,300 万ユーロ (3,10 万ドル) で、そのうち数百万ユーロを各種装備の調達に充てている。(DefenseNews 2013/10/8)
  • リビアで米軍が拘束したアルカイダ関連組織の活動家・Abu Anas al Libi が、USS San Antonio (LPD-17) 艦上に拘束されている、と The New York Times 紙が報じた由。(SpaceWar 2013/10/7)

| 先頭に戻る |


こぼれ話

| 先頭に戻る |


AFPS : American Forces Press Service
JDW : Jane's Defence Weekly
DID : Defence Industry Daily

Contents
HOME
Works
Diary
PC Diary
Defence News
Opinion
Ski
About


| 記事一覧に戻る |