とある青二才の斜方前進

経済とエロスのブロガーことTM2501です。いい機会なので、引っ越すことにしました。

「生活保護叩き」に関する間違いを検証すべく、ざっくりと調べてみた

違和感があるネタを見たから、ざっくり調べた。

 

簡単な検索とWiki・それと厚労省。ネットで調べる人なら誰でもやりそうな基本中の基本の調べ方でこの記事を書いた。(逆にこれさえわかんない人は、その基本さえやってないということ)

そして、ウィキで調べたらわかる基本事項書いただけで10人ほどにリツイートされた。

「意外とみんな生保について調べてないんだなぁ」と思い今に至る。

 

 

違和感を覚えた「生活保護叩き」に関するところから。

ニコニコニュースでの「生活保護」の記事。

消費増税で生活保護費アップも 厚労省、年末までに検討 | ニコニコニュース 消費増税で生活保護費アップも 厚労省、年末までに検討 | ニコニコニュース

 

ここでは、現在の生活保護たたきのコメントを具体的に見る。…ニコニコニュースでのコメントから抜粋。

 

現金出すから色々問題になるんだ 現物支給若しくは現物引き換え券で良い

→現物支給にしても、「国庫が出る」という形は変わらないよ?

 

生活保護でパチやってる屑中の屑を処刑すればそんな必要無い事に気付くでしょ

→すごいこと言ってるなぁ…。

 

外国籍の人への生活保護受給をやめれば予算はその分浮くと思うけどね~

→議論に上がるのだが外国人の支給自体は全体の4%。南北朝鮮人が全体の2%強

 

だんだん働くのがアホになってくる今日この頃

→生保が「働けるのに働いてない人への不労所得」という前提があるようで、この手の意見は多い。だが、何度も言うように半数と再就職の難しい50歳が多い。

 

 どんどん「働いたら負け」になっているね。保護受けたら人権なくなるなどのペナいれていいと思うよ?

→(缶コーヒーのCMの声で)この国は貧乏になると人権がなくなるらしい。

 

私も心が弱いガラスのハートでうつ病だから生活保護申請しよっと(^O^)/

→一番カチンときたのはこれ。うつ病の人はこんなことを書き込まない、なぜなら、俺が躁うつ病を患ってるからわかる。

 

もちろん、まともなコメントもあるよ?「不正受給はダメだ」「外国人や難民まで保護する必要はある?」「政策全体としてこれはどうなんだ?」など過激な批判とは一線を画した考えももちろんある。

 

だけど、それは生活保護者の問題じゃない。政府・政策への批判、手続きを守らないことによる道徳的規範から生じるコメントであるべきだ。

 

ところが、個人叩き・建前さえ踏まえない「妄想」が横行している。

「セイホとナマポの見分け方」が怖い - 法華狼の日記 「セイホとナマポの見分け方」が怖い - 法華狼の日記

この記事上で取り上げられたコピペに対する批判は今の生活保護たたきの本質を表していると感じたから引用したい。

  このコピペは具体的な事例どころか、建前としての生活保護にすら関係ない。単に労働していない人間への憎悪を表明し、自らの浅い世界観を露呈しているだけだ。

 

 それでは次の話へ行く。法華狼さんの言う「建前としての生活保護」の話へ。

 

ニコニコニュースで一番多かったコメントが「働くのがバカらしい」で、その次が「現物支給にしろ」であった。これらのコメントを書いている人はどうも生活保護の数値でわかるレベルの話も理解していないらしい。また、問題の本質がどこにあるか、どうして生活保護が叩かれているかすら理解していないようだ。

 

厚労省のページは手続きの話が多くて、データを探すのに向かないからウィキペディアを参考に。

 生活保護 - Wikipedia 生活保護 - Wikipedia

 

そして、特に見てもらいたいのはこの画像である。

 

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ちゃんと検証・議論がなされているウィキペディアから。そして、データ自体は厚労省から。「ネットのソース不明確な落書きに比べたら、幾分か信用度の高いデータ」から

 

 生活保護をもらっている殆どの世帯は50歳以上だ。もっと言えば、60歳以上が半数を占める。大事なことだから2回言いますが、生活保護をもらっている人の大半は「再就職が難しい」50歳以上なんです。

 

「その他世帯」という枠組みは主に勤労世帯者の世帯だが…今回はあまり関係ないので割愛。(事情が複雑なので)

 

確かに、生活保護制度の趣旨として「自立を助長する」と言う記述があるが、「その他」以外に分類される高齢者・傷病・障害・母子・父子はそもそも自立が難しいから保護の対象となっている。

 

  • 生活保護で現金を渡すことへの批判について

次に、生活保護を現金で渡すことに対し、批判が多いからこのことについて取り上げたい。

 

チケットや作業員を雇うことに言及する方もいるが、それやったらますます赤字になるよ?社会保障生活保護者の増大が税負担を増やすことが問題であるはずだが、どうして「現物支給なら」と支出そのものは変わらないような世迷言が出てくる?(よしんば現物・用途に制限があるクーポンに支給を変えても、保護物資と現金を一定レートで変える人がいれば、それでタバコなりお酒は買える)

 

共同生活論も時々飛び出すんだけど…金かかるよ?ハコモノを各福祉事務所がある自治体に作ったら、それこそお金かかるよ?

そもそも、生活保護者のイメージが現状のように最悪であるとき、生活保護者の共同生活施設を各自治体がそれぞれに建てるとなれば…間違いなく反対運動が起こるよ?

そこまで考えて書いてないでしょ?小笠原諸島の離島にでも閉じ込めて自分に関係のないブタ箱ができて、それで万々歳だと思ってるんでしょ?…前時代的な妄想だよ。

 

さらに掘り下げよう。現行の生活保護に於いてパチンコをする人・酒やタバコを吸う人が批判されるが、それ自体は「報道」と言うミクロな情報でしかない。マクロな情報である「統計資料」を業界団体が消費する人の所得を調べ、ケースワーカーが保護費の使い道を出したわけじゃない。

 

まだ足りない!よしんば、報道の言うミクロが本当だったとしても、現行では「生保でパチンコとはけしからん」という批判自体が次のつぶやきで返すことができる。

 

 

うちのフォロワーさんが僕が言う前に、言いたいことを言ってくれました。

 

 残酷だが、これが全てだ!例えば、西成区などを例に出して「生活保護が違法賭博に流れる」「保護費で薬物の売買が行われている」という報道があるが、それは財源の問題ではない。大阪府警の怠慢で、報道のミスリードだ。

 

健全な家庭と仕事を持っている人が吸う覚せい剤も、生活保護者なりヒモが吸う覚せい剤もどちらも「汚いものは汚い」ぜ?

 

お酒・タバコを規制する文言を設けた上で、地域や大型チェーン店でのみ活用可能な「生活保護用のクーポン支給に切り替える」というならわかるよ?でも、そのプロセスや想定を経た意見は僕のフォロワー達からは出てくるが、一般論では出てこない。

 

ただし、現行でも次のような記述もあるので注意されたし。

生活上の義務 - 能力に応じて勤労に励んだり支出の節約を図るなどして、生活の維持・向上に努めなければならない(第60条)。

明確な基準は書いてないけど、権限として、度が過ぎた浪費や不労には指導はできるみたいだね。

 

私の友人である「ナース」が面白いことを言ってたからその話をしておしまい。

生活保護をもらう統計のうち母子家庭と言うのが、彼女に言わせればすごく胡散臭いんだって。

 

軽い気持ちで子ども産んだ人が、簡単に離婚して(下手したら付き合ってるとすら思われてなくて)生活保護・母子手当をもらってるんだって。

そんで、表面上(役所)では「父母にも援助してもらえない環境で、母子なので助けてください。育児があるからお金もそれほど稼げません」と言うけど…どうも実態はそうじゃないらしい。(自分が母子家庭だったせいで、ひどいシングルマザーと役所で何度か居合わせたらしい)

 

彼女の証言によれば、バリバリ生活保護をもらいながら、育児は父母に丸投げし、自分はママ友とお茶してる。そういう親がいるんだって。

生活保護者にそんな金あるのかよ?」

支給額を調べてるから僕はナースの話を半信半疑で聴いてる。でも、ナースの話を本当にする方法もある。…足のつかないお金を稼いでるとしたらどうか?

 

ナースは「ママ友とお茶して、所得制限の範囲内でパート」と言う推理だったけど、僕ならもっと悪質に「昼はママ友とお茶、夜はスナック(など現金支給で給料がもらえる足のつかない夜のお仕事)」という流れだと思う。これなら所得制限に引っかからずに済む。

 

 

「子供を産んですぐ離婚した人がそうなる」とナースが言ったが、その「すぐに離婚」の理由の中で最も悪意のある経緯として「夜のお仕事がもつれて…」というパターン。お水(崩れ)の人がその形で生活保護・各種手当を受けながら、脱税・不正受給をすることは理論上は可能だなぁ…。話としては面白いし、制度という輪をうまく外した知恵の輪ゲームだ。

 

ただし、生活保護者のうちの7割以上は高齢者・障害者・傷病なので、この事案が可能なのはごく少数の女性限定の議論だ。理論上可能な人だけでも1割しかいないごくわずかな人のミクロな議論。

そして前述した、ネット上での議論。問題視される外国人への支給も4%程度であり、働いていなくて高齢・傷病・障害のない人はごく僅かだ。母子家庭に関する議論はそのネット民達がしていた議論と大差ない。

 

にもかかわらず、なぜこの話を入れたか? 僕は「わざと」書いた。

調べものとしてはざっくりだが、読み物としてはずっしりさせたくて書いた。

今味わってる納得のいかなさ・モヤモヤする感じこそ、本当は戦うべきモノなんだろうね。疑うべきものなんだろうね?

 

考えていても、憶測しても、実物を見たとしてもだ!それに囚われないで全体を見ることとはまた別に切り離して考えるどうしたらいいか?そこが問題点なんだろう。

そこを理解しなきゃ、また無責任な言動・気持ちのいい理にかなった憶測を聞くと飲み込まれてしまうぜ?

 

 

 楽天・アマゾンで生活保護に関する本を見たときに、楽天では最も売れてる本、アマゾンでは僕の言っていることを詳しく書いてくれていそうなレビューがついていた本です。

 

今回はざっくりでしたが、興味のある方はネットだけではなく書籍も使って調べてみてください。