輪廻転生と利己的な遺伝子
2013/10/10 07:48:00


某プロブロガーが最近仏教に凝っているらしく、そのため彼のブログを読んでいる俺まで、ちょっと影響されてしまった。某プロブロガー恐るべし(笑)。

彼は自分は輪廻転生を理解する境地には達していないという。人間のあらゆる活動には「自己犠牲」の要素が組み込まれていると思うのだよね。日本の場合こんなことを書くとすぐに戦争の皇国史観とか玉砕とかを連想して、拒絶反応を示す人が少なくない。

また戦後急速に台頭した個人主義ともなじまない。人間はそもそも自分のために生きるものであって、自己犠牲なんて歪んだ教育が生み出したものだと考えている人も多いように思う。

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でも俺は自己犠牲、利他的な行動こそ生物のベーシックな姿だと思うのだよね。それが部族(共同体)を、民族を、ひいては人間という種を反映させるものだから。

なので歴史の浅い宗教(カルトとか)はともかく、古くからある宗教には、自己犠牲の要素が組み込まれているのだと思う。良いことをすれば神様が見ていてくれて、来世や最後の審判の時に良いことがある、と。

本来は社会(共同体)を安定させるための仕組みなのだろう。ただその「教え」を普及させるために、上述のような方便が用いられた。

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リチャード・ドーキンスは生物は遺伝子の乗り物だと考えた。遺伝子こそが主役なのだ、と。人間や動物の個体が利他的に振る舞うのは、その方が遺伝子に有利だから。

輪廻転生とは、遺伝子のことだ。個体は失われても遺伝子は個体から個体へと受け継がれ悠久の時を生きる。人間は、あらゆる生物は、自分のためではなく、遺伝子のために生きている…。

もともと人間の性質としてそういうものがあり、それをイメージ化したのが宗教の輪廻転生。昔の人間は遺伝子というものを知らなかったので、人間がなぜ自分よりも他人のために振る舞うのか理解できず、こうした架空のモデルを編み出したわけだ。わりといい線いっていると思う。

人間の知恵ってすごいよね。見えないものを「きっと、こういうものがあるはずだ」と想像し、ついには見つけてしまう。分子モデルが考えられたのは、実際に電子顕微鏡で分子が見れるようになるはるか昔。想像した通りのものがあるなんて、感動。

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