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みずほの醜態―トップの責任は重い

ああ、やっぱり――そう思った人も多いに違いない。みずほ銀行による暴力団組員へのローン問題で、当初から経営トップの頭取が報告を受けていた事実が判明した。[記事全文]

空港発着枠―根本から見直すときだ

国土交通省が羽田空港・国際線の発着枠を、全日本空輸に手厚く配分すると決めたところ、日本航空が訴訟も視野に抗議する異例の事態となった。経緯はこうだ。[記事全文]

みずほの醜態―トップの責任は重い

 ああ、やっぱり――そう思った人も多いに違いない。

 みずほ銀行による暴力団組員へのローン問題で、当初から経営トップの頭取が報告を受けていた事実が判明した。

 みずほは金融庁の検査に対して、報告がコンプライアンス(法令順守)の担当役員止まりだったと説明していた。

 4日の記者会見でもそう繰り返していたが、わずか4日後、佐藤康博頭取が会見し、説明を覆した。佐藤氏まで3代にわたる頭取に取締役会資料などで報告されていたという。

 あきれるほかない。

 みずほが問題融資の窓口となった信販会社をグループ化したのは10年9月だが、すでに7月の時点で当時の西堀利頭取が暴力団対策として審査の厳格化を検討するよう指示していたことも分かった。

 だが、対策は徹底されなかった。遅くとも同年末には問題融資の存在を把握していたのに、すでに行われた融資は放置されたままだった。

 みずほ銀と持ち株会社それぞれの取締役会とコンプライアンス委員会には、11年2月から約1年間に計8回も報告が上がっていたという。誤りを正す機会は何回もあった。

 なぜ改まらなかったのか。佐藤頭取は「認識が甘かった」「初歩的なミス」と繰り返す。

 しかし、疑念は次から次に浮かんでくる。

 西堀頭取の時代に、新規融資を止めるだけでよしとしたのではないか。その判断が絶対化され、後から疑義を差し挟む余地をふさいだのではないか。そんな上層部の意識が金融庁検査や記者会見でのうそを生んだのではないか――。

 みずほは弁護士3人による第三者委員会を設けて真相解明を進め、その結果を受けて業務改善計画や社内処分を決めるという。銀行側が調査に全面的に協力する必要があるのは言うまでもない。

 みずほの体質を改めるうえで、第三者委員会は歴代トップの判断や対応をしっかり解明するとともに、責任の明確化に踏み込んでもらいたい。

 金融庁にとっても事態は深刻だ。取締役会やコンプライアンス委員会の資料を調べれば、経営トップに報告が上がっていたことは分かったはずだ。それとも、銀行側が隠したのか。

 金融庁は第三者委員会の調査結果を受けて追加処分する構えのようだが、検査の妨害や忌避がなかったのか徹底して洗い直す責任がある。このままでは検査の信頼性が揺らぐ。

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空港発着枠―根本から見直すときだ

 国土交通省が羽田空港・国際線の発着枠を、全日本空輸に手厚く配分すると決めたところ、日本航空が訴訟も視野に抗議する異例の事態となった。

 経緯はこうだ。

 羽田では3年前、4本目の滑走路の使用が始まり、段階的に発着を増やしてきた。今回は国際線で1日に40便増やし、日本の航空会社への割り当ては当面16便。国交省は過去、全日空と日航を同数としてきたが、今回は11対5と差をつけた。

 日航は破綻(はたん)後、巨額の公的資金を投じた再建で身軽になり、世界屈指の高収益会社になった。多額の損失を計上した効果で税負担が軽くなっており、全日空と格差が生じている。

 それをある程度埋め合わせるため、ドル箱の羽田発着枠で全日空に配慮した――。これが国交省の判断だ。

 日航は会社更生法に従って再建されたとはいえ、国の支援で全日空と構造的な収益格差が生じたことは大きな問題だ。私たちも社説で、日航の再建過程を検証し、公的支援と競争のあり方についてルールを設けるべきだと主張してきた。

 ただ、事後的な「穴埋め」に発着枠の配分が使われたことには、もやもや感が残る。

 なぜか。

 国民の貴重な財産である空港の発着枠が航空業界の利権のように扱われ、配分が国交省の裁量に委ねられているからだ。

 民主党政権が進めた日航再建には自民党の批判が強く、国交省から「配慮せざるをえなかった」との声が漏れるだけに、なおさらである。

 国交省は、羽田や成田の発着枠の配分作業のたびに「もっと透明で公正な方法を考えるべきだ」と指摘されながら、本格的な検討を怠ってきた。

 折しも20年の東京五輪開催をにらみ、羽田や成田の発着枠拡大に向けた検討が始まった。もう先送りは許されない。

 昨年の羽田国内線の配分時に設けられた有識者会議は「発着枠に最大の価値を見いだす会社に使用させるため、市場メカニズムの導入の可能性を検討すべきだ」と強調した。入札や航空会社間の発着枠売買に伴う課題を列挙し、解決方法を検討するよう求めている。

 「資金力のある会社が独占しかねない」「航空運賃の値上がりにつながるのでは」――。市場原理の導入は多くの国が頭を悩ませてきた難題であり、相当な工夫が必要なのは事実だ。

 しかし、同じような騒動を繰り返さないために、根本からの見直しは避けて通れない。

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