2013.10.10 05:03(2/3ページ)

和田虎、先発隠し!CS初突破へなりふり構わず

練習を見守る阪神・和田監督=甲子園球場(撮影・中川春佳)

練習を見守る阪神・和田監督=甲子園球場(撮影・中川春佳)【拡大】

 台風が過ぎ去り、入道雲と青空が広がった甲子園球場。午後2時37分。CSファーストステージで先発が予想される能見、メッセンジャー、藤浪が、わざと報道陣に見せるかのように並んでグラウンドからブルペンへと消えた。予告先発制となってからは見られなかった光景だ。和田監督は、自ら種明かしだ。

 「(2年前までセ・リーグは)予告先発のない中でやってきている。それも戦いのうちだからね」

 ブルペン捕手や山田バッテリーコーチも3人に続いた。右翼アルプス席の下に位置するホーム側ブルペンは、シーズン中から一切立ち入り禁止で、誰が投球練習を行ったのかは、不明だ。いつもは「◯◯、いい球を投げてるぞ」と威勢のいい捕手のかけ声が響くが、それもなし。ミットの音だけが、ドアの向こうから聞こえただけ。

 2011年までは、当然の策として、毎日がカムフラージュの日々だった。広島は、投手が右か左かで大幅に打撃オーダーが変わることはないが、先発を読み違えることで、心理的にもマイナスになる。シーズン中、相手にプレッシャーをかけるような陽動作戦をすることが少なかった指揮官が動いた。

 球団から報道陣に対しては異例のメールが流された。『甲子園開催のCS終了まで球場とクラブハウス間の連絡通路への立ち入りは一切禁止となります。投手関連の取材は、全て練習前にお願いします』。

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