TPP:重要5項目で「譲歩」示唆 自民・西川氏
毎日新聞 2013年10月09日 21時19分(最終更新 10月10日 01時57分)
自民党の西川公也・環太平洋パートナーシップ協定(TPP)対策委員長は9日夜、訪問先のインドネシアから帰国した。西川氏はコメや麦など農産物の「重要5項目」を細分化した586品目の一部で関税撤廃を検討するとした自らの発言について「検証は当たり前だ。批判している人はずれている」と反論。「最初の政府提案は低い自由化率だが、これから上がっていくはずだ」と述べ、妥結に向け、586品目でも譲歩が避けられないとの見通しを示した。羽田空港で記者団の質問に答えた。
政府・自民党はこれまで重要5項目について、関税撤廃の対象から除外する「聖域」としてきた。西川氏は記者団に対し「交渉は進んでおり、こちらがカードを切らない限り、相手も切らない」と語り、関税の是非に関する選別が必要との認識を強調。自民党内の批判に対して、「(高い自由化率を求められる)実態を知らなければ、交渉はできない。少しは勉強しろと言いたい」と述べた。
一方、西川氏の帰国に先立ち、9日に開かれた自民党農林水産戦略調査会で、鳩山邦夫元総務相は「土俵際に追い込まれたわけでもないのに、(西川氏の発言は)タイミングが下手だ。『裏切られた』との声が激しい」と批判。
中谷元調査会長は「結束が乱れるとよくない。しっかり説明してもらう」と述べ、発言の真意を確認する考えを示した。自民党は10日、党TPP対策委員会を開き、西川氏も出席する。【横田愛】