阪神が、お約束のかく乱作戦に出た。CSファーストステージを3日後に控えた9日、甲子園で練習を開始した阪神だが、練習後の先発投手の取材は禁止。投球練習中の声やミットの音が聞こえないように、球団広報がブルペンへの通路を封鎖した。
さらに取材エリア内では、CSでの先発が予想される能見、メッセンジャー、藤浪の3人がそろってグラウンドからブルペンに移動。その後も3人そろって出てきた。セ・リーグも予告先発が導入され2年がたつが、CSでは予告先発はない。3年前までごく普通に行われてきた先発隠しだ。初戦はメッセンジャーが濃厚だが、左の能見が入っていることで報道陣の目を通じて広島に疑念を抱かせる狙いだ。
「たまたまランニングメニューが一緒だっただけ」と中西投手コーチがごまかせば、和田監督は「感覚としては予告の方が短い。ずっとそういう(予告なし)中でやってきたからね。これも戦いのうちのひとつだね」と意図を認めた。
広島には球宴以降、5勝8敗と分が悪い。特に前田健には6度対戦し2点しか奪えず1勝4敗、防御率は0・40。苦戦は必至なだけに、少しでも考えさせるべく、ギリギリまで策を練る。 (中山隆志)
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