化学兵器禁止機関:シリアへの査察官増派
毎日新聞 2013年10月09日 10時31分(最終更新 10月09日 10時31分)
【ブリュッセル斎藤義彦】化学兵器禁止機関(OPCW、本部オランダ・ハーグ)は8日、定例の執行理事会を開き、シリアの化学兵器を調べる査察官を増派する方針を明らかにした。人数は明確にしていないが、国連と合同で約100人規模とみられる。また、シリアの国営放送は8日、国連とOPCWの合同査察チームが、薬品タンクなどを査察している映像を放映した。6日から始まった現地査察と廃棄プロセスの一環とみられる。
OPCWは国連と合同で先月30日から計35人の査察チームの先発隊を派遣していた。第2陣について、潘基文(バンキムン)国連事務総長は7日の安保理への手紙で、約100人規模になると述べている。
また、OPCWは、11月1日までの生産・加工施設の廃棄を達成するため、化学兵器禁止条約で「第3類」と分類される「ホスゲン」などの毒物を生産できないよう作業を始めたことを明らかにした。ドイツとイタリアが、小型ジェット機など査察団の輸送手段を提供しているという。
一方、シリア国営放送は8日、高さ2メートルほどの薬品タンクが数基並んだ倉庫で、2人の査察官による検体の採取や封印作業の映像を放映した。7日に撮影されたもので、場所は不明だという。