水俣条約:決議案に専門家グループ発足盛る 準備会合
毎日新聞 2013年10月08日 20時27分
水銀の輸出入などを規制する「水俣条約」に関する外交会議の開幕を前に、熊本市で8日、事務レベルの準備会合が開かれ、10日に条約と同時に採択する決議案をまとめた。石炭火力発電所などからの水銀排出を抑制するため、新設時に導入を義務付ける最新技術について、基準づくりを検討する国際的な専門家グループを発足させることを盛り込んだ。
石炭などの燃焼に伴う大気中への水銀排出が問題になっており、国連環境計画(UNEP)によると、2010年の世界の水銀排出量1960トンのうち半分を、化石燃料の燃焼やセメント精製、廃棄物焼却などが占める。専門家グループは各国政府が推薦する31人で組織。うち8人は「アジア太平洋地域枠」で日本も推薦を目指す。また、産業界や非政府組織(NGO)から8人がオブザーバー参加する。
決議案には「水俣の人々と地域の長い苦しみや再生への努力を思い起こし、その経験と教訓に学ぶべきだ」とのことばが盛り込まれた。
外交会議は9〜11日に同市と熊本県水俣市で開かれる。【阿部周一】