アジア・太平洋株式サマリー:中国・印株が上昇、香港株は下落
10月9日(ブルームバーグ):アジア・オセアニア各株式市場の動きは以下の通り。
【香港株式市況】
香港株式相場は下落。国際通貨基金(IMF)が中国の成長見通しを引き下げ、米国がデフォルト(債務不履行)に陥れば世界経済に「深刻な打撃」を与える恐れがあると警告した。
売り上げの約73%を北米で稼ぐ電動工具メーカーのテクトロニック・インダストリーズ (創科実業、669 HK)は2.5%安。自動車メーカーの吉利汽車(175 HK)は3.4%下落した。米ゴールドマン・サックス・グループの子会社が吉利汽車の株式を市場価格を下回る水準で売却した。中国最大のインターネット企業、テンセント(騰訊、700 HK)は2.9%安。前日は上場来高値を更新していた。
ハンセン指数 は前日比144.88ポイント(0.6%)安の23033.97で終了。構成銘柄中、値下がりと値上がりの比率は約4対1。ハンセン中国企業株(H株 )指数は同0.3%安の10505.51。
CMCマーケッツのアナリスト、デズモンド・チュア氏(シンガポール在勤)は電子メールで、「米国がデフォルトに陥れば、格付け会社による米国格下げのきっかけとなりかねない」と指摘。「米国債の売りが急増し、借り入れコストが上昇する可能性があり、こうした状況が世界経済に波及することもあり得る」とコメントした。
【中国株式市況】
中国株式相場は約2週間ぶり高値に上昇。青島や天津などの都市が自由貿易区の設立に向けて政府の承認を獲得するとの観測を背景に、港湾運営や物流関連銘柄が上昇した。
天津港を運営する天津港 (600717 CH)と海運会社の天津市海運(900938 CH)、百貨店事業を展開する天津勧業場(集団、600821 CH)はいずれも10%上昇。青島金王応用化学(002094 CH)も値幅制限いっぱいの10%高となった。港湾関連サービスを手掛ける寧波港(601018CH)は4.8%高。
ZTE (中興通訊、000063 CH)を中心に通信関連銘柄は下落。ZTEは前日の1年半ぶり高値から反落し、1.6%安で引けた。
上海証券取引所の人民元建てA株と外貨建てB株の双方に連動している上海総合指数 は、前日比13.57ポイント(0.6%)高の2211.77で終了。上海、深圳両証取のA株に連動するCSI300指数は前日比0.5%高の2453.58。
華西証券の魏瑋アナリスト(上海在勤)は、「上海に次いで第2、第3の自由貿易区が設置されるとの観測が広がっており、最も可能性の高い候補地は港湾都市だ」と指摘。「自由貿易区は中国の改革深化の方向性を示しており、それにより経済活動への政府の介入は減るだろう」と述べた。
【インド株式市況】
インド株式 相場は上昇。指標のS&Pセンセックス指数は約3週間ぶりの高値を付けた。貿易赤字が2年6カ月ぶりの水準まで縮小したことが手掛かり。
売上高の半分以上を海外で稼ぐサン・ファーマシューティカル・インダストリーズ は上場来高値を付けた。ソフトウエア輸出のインフォシス は1カ月ぶり大幅高。HDFC銀行 は約3週間ぶりの高値となった。不動産開発のDLF は6.1%上昇。同社関連会社がスター・アルビルド・プライベートの株式を日本のLIXIL(リクシル)に売却した。
ムンバイ市場でのセンセックス指数 は前日比265.65ポイント(1.3%)高の20249.26で終了。一時は0.8%下げた。
商工省の発表によると、9月の貿易赤字は67億6000万ドル(約6580億円)と、2011年3月以来の低水準となった。8月は109億ドルだった。
【オーストラリア株式市況】
S&P/ASX200指数は前日比3.54ポイント(0.1%)高の5152.99。
【韓国株式市況】
9日の韓国株式市場は祝日のため休場。取引は10日に再開される。
【台湾株式市況】
加権指数は前日比30.92ポイント(0.4%)安の8344.73。
更新日時: 2013/10/09 21:21 JST