UPDATE 1-ちゅうちょなく調整行う方針、金融政策の信認に重要との指摘も=9月日銀会合議事要旨

2013年 10月 9日 10:17 JST
 
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[東京 9日 ロイター] - 日銀が9月4─5日に開催した金融政策決定会合で、ある委員が必要な場合「ちゅうちょなく調整を行う」との追加緩和を辞さない姿勢が、政策の信認に重要と指摘していたことが、9日公表された議事要旨でわかった。今後の物価動向を判断するには来年の春闘が重要との見解も見られた。日銀による巨額の国債買入れで長期金利は低位安定しているものの、急変動するリスクを指摘する声も出た。

同日の決定会合で日銀は、今年4月に導入した異次元緩和の継続を全員一致で決定。国内景気の現状判断を「緩やかに回復している」とし、2カ月ぶりに判断を引き上げた。

<長期金利低位安定も大きく変動するリスク>

議事要旨によると、異次元緩和が「戦力の逐次投入をせずに、初めに大胆な政策を転換するものとの市場の理解が進んできた」(ある委員)との見方が出た。一方、1人の委員は「上下双方向のリスク要因を点検しながら必要な調整をちゅうちょなく行っていく方針は、金融政策の信認を高める上で重要」と指摘し、追加緩和を辞さない姿勢を示す重要性を強調している。

 長期金利が低位で安定している点についても活発な議論がなされた。海外金利上昇などによる金利上昇圧力を「日銀による巨額の国債買入れが、強力に抑制している」と多くの委員が総括した。一方、「最近の米国動向を踏まえると、先行きの期待が変化すれば、国債買入れを進めていても長期金利の安定状況は変化しうる」(ある委員)、「長期国債先物の値幅・出来高比率がなお高めで、市場が大きく変動するリスクがある」(1人の委員)と懸念を表明する委員もみられた。  何人かの委員は金融緩和が効果を発揮するには「財政運営に対する信認維持が不可欠」として、政府に対して「財政健全化に向けた取り組みを着実に進めていくことを期待」した。

<物価の先行き、プラス幅拡大一服も 来年春闘注視>

 6月以降プラスに転じた消費者物価の動向をめぐり、「世界的なディスインフレ傾向に改善の兆しがみられない中、日本独自の要因で物価が伸び率を高めていくか注視」(ある委員)する委員もいた。

ある委員は、エネルギー価格下落の反動がはく落するため「消費者物価のプラス幅は今後拡大が一服する可能性がある」と指摘した。

予想物価上昇率について「消費税率引き上げに対する認識の影響を識別することは難しい」(ある委員)との指摘も出た。

先行きの物価を判断する上で、ある委員は所定内給与の動きが重要と指摘し、「来年の春闘の状況を注視したい」と述べた。

<株高による個人消費効果、最近低下>

ある委員は個人消費について、「これまで株高による資産効果を背景に増加してきたが、最近ではこうした効果が低下している」(ある委員)と懸念を表明した。

今回の景気回復について何人かの委員は「従来の製造業中心の回復と異なり、個人消費主導で非製造業中心の回復」と指摘した。「先行きの生産・所得・支出の好循環がさらにしっかりとしたものになるためには、輸出や設備投資を主導とした製造業の回復を伴うことが重要」(何人かの委員)、「雇用者所得の伸びは消費者物価上昇率を上回っていることから、物価が上昇するもとでも、実質所得は増加している」(1人の委員)との見方も聞かれた。

 
 
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*統計に基づく世論調査ではありません。