8月英鉱工業生産:前月比1.1%減、予想外-約1年ぶり大幅減
10月9日(ブルームバーグ):英国の8月の鉱工業生産 はエコノミスト予想に反して前月比で減少し、約1年ぶりの大きな落ち込みとなった。7-9月(第3四半期)の景気回復の力強さに疑問が投げ掛けられた。
英政府統計局(ONS)が9日発表した8月の鉱工業生産指数は前月比1.1%低下。ブルームバーグがまとめたエコノミスト30人の調査中央値 では0.4%上昇が見込まれていた。7月は0.1%上昇だった。
同時に発表された8月の製造業生産指数は前月比1.2%低下。医薬品の減産が響いた。
国際通貨基金(IMF)は8日公表の世界経済見通し(WEO)の中で英国の成長率予想を上方修正したが、この日の統計で同国の鉱工業部門が出遅れている状況が示唆された。ブルームバーグ調査によれば、イングランド銀行(英中央銀行)は10日の金融政策委員会(MPC)で、景気回復を確固たるものにするため緩和的な政策を維持するとみられる。
IHSグローバル・インサイトのエコノミスト、ハワード・アーチャー氏は統計発表前、「世界経済は引き続き困難な状況にある」と指摘した上で、「英製造業の輸出受注の見通しについては、ユーロ圏に支えられている。同地域は4-6月(第2四半期)にリセッション(景気後退)をとうとう脱し、7-9月は緩やかな成長を達成したもようだ」と語った。
ポンドの対ドル相場は統計発表後に下落。ロンドン時間午前9時47分(日本時間午後5時47分)現在、前日比0.7%安の1ポンド=1.5978ドルで取引されている。
原題:U.K. Industrial Output Unexpectedly Falls Most Since 2012(1)(抜粋)
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更新日時: 2013/10/09 18:25 JST