JR北海道、トラブル続発の陰に労組対立か 「他の組合員との会話禁じる」風潮も

2013.10.07


国会に招致される方向となったJR北海道の野島誠社長【拡大】

 衆院国土交通委員会は、レール異常の放置など、信じがたいトラブルが続発しているJR北海道の野島誠社長を参考人招致する方向で調整に入った。JR北をめぐっては、労働組合間の対立で現場での情報伝達が阻害されているとの指摘がある。同委員会では、組合問題もトラブルの背景にあるとみて、野島社長から説明を求める。

 「他労組と飲みに行くことや、結婚式に呼ぶことを禁じる、風通しの悪い部署がある」「他の組合員との会話を禁じ、業務伝達も難しい」

 JR北の複数の社員は、情報伝達阻害の背景として、社内に隠然たる影響力を持つJR北海道労組の存在を挙げる。

 同社には、組合員資格者の80%強が加盟するJR総連系のJR北海道労組(約5600人)と、約8%のJR連合系のJR北労組(約550人)、約2%の国労北海道本部(約130人)の計3つの主要労組がある。

 上部団体のJR総連とJR連合は激しく対立してきた。JR総連については、政府答弁書や警察庁警備局長の国会答弁などで、過激派「革マル派」の浸透が指摘されている。

 JR北でトラブルが相次ぐ背景について、関係者は「赤字体質で安全面に多額の費用を投入できないハード面に加え、労組間対立といったソフト面の問題が複雑に絡んでいる」と指摘する。

 国労北海道本部は「会社は最大派労組ばかりに目を向けている」、JR北労組は「情報共有不足は、最大派労組が他労組との関係を断っていることがある」と主張する。

 JR北は約5年前に運転士らへの職場にアルコール検知器を導入したが、昨年7月の義務化まで自主検査扱いに。関係者は「最大派労組の抵抗で義務化が遅れた」とする。

 今年7月の運転士覚醒剤使用事件でも、国土交通省北海道運輸局が全運転士への薬物検査を打診したが、JR北は「人権上の問題」と拒否した。同省幹部は「最大派労組の猛反発を心配した可能性がある」と推察する。

 JR北海道労組は、産経新聞の取材に「答える義務はない」と応じなかった。

 

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