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      「総理発言」に被害者団体反発

      「総理発言」に被害者団体反発

      安倍総理大臣が9日、水俣市で開幕した、水銀の使用などを国際的に規制する「水俣条約」の採択に向けた会議の開会記念式典に寄せたメッセージの中で、日本は「水銀の被害を克服した」と述べたことについて、水俣病の被害者団体は一斉に反発し、発言への抗議活動を検討したいとしています。
      安倍総理大臣は9日夕方、水俣市で開かれた「水俣条約」を採択する国連の会議の開会記念式典にビデオでメッセージを寄せ、「水銀の被害の克服を経た我々だからこそ、世界から水銀の被害をなくすために先頭に立つ必要がある」と述べました。
      このあと、あいさつに立った熊本県の蒲島知事は「水俣は完全に再生していない」と述べ、地元・水俣市の宮本市長も「水俣病の発生から半世紀以上、未だに解決していない」と述べたこともあり、安倍総理大臣の発言に対して水俣病患者や被害者団体からは憤りの声が上がりました。
      最大の被害者団体の「水俣病不知火患者会」の大石利生会長はNHKの取材に対し「水銀の被害は全く克服されていない。現場も見ずに外交辞令を述べた発言であり、すべての被害者が納得しないだろう。発言の内容を精査して対応を検討したい」と話しました。
      国やチッソを相手に裁判を続けている「水俣病被害者互助会」の佐藤英樹会長は「嘘をつかないでほしい。水俣病の認定を国に求めている被害者をはじめ、いまも水俣病に苦しむ人はたくさんいる。水俣湾に埋め立てる形で保管されている水銀はどのように処理するのか。抗議を含め検討したい」と話しています。
      また、胎児性水俣病患者の坂本しのぶさんは「頭に来てむかむかしながら聞いていました。国が今まで何をやってきたというのか。何も知らずに発言するのはやめてほしい」と話しました。

      10月09日 21時52分