小誌で昔よくジャニーズ記事を担当していたものです。このたびKAT-TUNの田中聖（たなか　こうき）くんが事務所を9月30日付けで契約解除になりました。「度重なる事務所とのルール違反行為があった」というのが表向きの理由。海老蔵ビルに出したバー、実話誌に掲載されたチンコ写真、彫師行為など「違反」は確かに多かった。その裏事情については今後調べていきたいところ。

実際僕は一時期執拗に聖くんのことを追っていました（逆に言えばそれだけ情報も多かった）。彼が事務所にないしょで開いたクラブイベント（リムジンとか懐かしい）なんかを数年前にはよく見に行っていた。ただ、そうやって追い続けていると見えてくる、彼のやさしさだったり男らしさだったりがあったんです。人間的に本当に魅力的な人でした。今回ジャニーズが解除をしたというのはよっぽどのことがあったんだと思うんですが、それでも最初に湧いてきたのは怒りでした。なんで辞めさせちゃうんだよと。BUBKAが言うなって話なんですが。

僕なりに見てきた、彼の魅力について書いておきたいです。

◉小誌編集者を優しく説教

あるクラブイベントの後、彼を追っていたらうちの女性記者が彼に見つかった（すいません…自分は面白いので離れて見てました）。強面なイメージですから、正直なぐったりするんじゃないかと思ったら、そんなことは全くなかった。むしろ「ご苦労さまです、遅くまで僕のことおっかけるの大変だと思います。でもやっぱり僕もプライベートなんで、さすがにそうされると厳しいです。あなたも仕事なのはわかってますが、ただ少しでいいから僕の立場もわかってほしい」と、うちの記者に話をしたんです。それで、すたすたと歩いていった。

◉付き合った女性で彼の悪口を言う人は少ない

聖くんはたしかに遊びの女には厳しかったところもありますが、ちゃんと付き合った女性たちは、ほんとうに彼と恋愛をしてよかったと言っていた。彼とかなり濃い恋愛をしていた人から話を聞いていたんですが、本当に悪いことを言う人がいなかったんです。「実は、ほんとうに優しい」みたいな話をよく聞いた。別れてからもちゃんと人間として付き合う、みたいなことができる人だった。

◉後輩の面倒見がいい

今人気の某メンバーの子をすごく可愛がっていた話も何度も聞きました。その後輩の子は、メンタルが弱いところがあって、それを支えてあげてたのが彼だったという印象があります。後輩が本当にやばかった時のことを考えると、聖がいなかったら精神崩壊してたんじゃないのとすら思ってます。あと聖自身は超遊び人なのに、その子には「お前はちゃんとやれ」みたいなことを言っていたりもした。

◉コンサートでの男への神対応

認知厨な自慢話ですいません。僕は男だったんでコンサートで聖に見つけてもらうと、ものすごくいい対応をしてもらってました。数年前のドームコンに男ともだちと2日連続で行った時、1日目は男ということで指差し＆手振り。2日目に聖くんが僕らを見つけたら大爆笑して、こちらに指差ししてました。彼はとにかく男からのレスを求めていた気がします。ゴリゴリなラップを続けていたように、ジャニーズであることの負い目みたいなものがあって、ジャニタレとして反対な方に常に歩き続けていたように思っています。

◉ラップへの熱意

その昔、六本木のなんだったかのクラブで、聖のフリースタイルを見たことがあります。ほとんどHIP-HOPのことがわからないんですが、それでもめちゃくちゃ上手いことだけはわかりました。ちゅうか、フリースタイルができるジャニタレがいること自体びっくりした。精進してたのが素人目にもわかりましたもん。アイドルラップという文脈から櫻井翔さんのラップは評価されているんですが、聖くんのガチ系なスタンスが音楽系の人なんかに笑われてたりしたのは、本当に嫌でした。

他にも色んな人から聞いた、色んなエピソードがあります。まあ僕らが聞くような話だからやんちゃ話が多いんですけど、彼の繊細だったり優しさを随所に感じられるものが多かったです。久しぶりに数年前の取材ノート見返しました。ジャニファンやマスコミに追いかけ回されて、ものすごく人間不信な人で、めちゃくちゃファンや記者のことを警戒していた。タクシー乗ってもいつもバックミラーをチェックしてましたもん。そんな僕らが言うのもあれなんですが、六本木とか麻布とか渋谷とかで聖くんをぱっ見かけると、後ろ姿がいっつも寂しそうだった。一度ほぼほぼ泣いて歩いている姿も見たことがあります。

うーむ、あんまりディテールのある話が出来ずにすいません。ただ僕は、彼がスキャンダルが多かったから追ったんではなく、それこそ最初はそうだったんですが、気づけば彼が人間として魅力的だから追っていたんだと思います。本当に、今後の活躍を応援したいと思っています。いや、本当に微妙な話でファンのみなさんにはごめんなさい。

（文／J）