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国際
【産経抄】10月5日
2013.10.5 03:14
[産経抄]
米議会で長時間の演説をして合法的に議事妨害することを「フィリバスター」という。戦前の名作「スミス都へ行く」で、傀儡(かいらい)議員に仕立て上げられたジェームス・スチュワート演じるスミス青年は、ダム建設にまつわる不正に気付き、建設阻止のため上院で24時間以上演説し続けた。
▼人気ドラマ「半沢直樹」の結末と違って正義が勝ってしまったスミス青年は、米国人にとって今もなお「理想の議員像」になっている。日本の国会議員がまねしてもまったくさまにならないフィリバスターが、米国で正当に評価されてきたのもスミス青年によるところが大きい。
▼映画公開から74年後の今年も米上院で予算案に反対する共和党議員が、21時間にわたって演説した。とはいえ、いつまでたっても予算案が成立しない中でこの議員への風当たりは強く、共和党の支持率も急降下したという。
▼米議会の混乱は、オバマ大統領が推進する医療保険改革(オバマケア)をめぐる与野党の意地の張り合いが原因なのだが、同盟国にとって迷惑千万である。自由の女神の中に入れなくてもいいが、大統領が外遊日程をキャンセルしたのはいただけない。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の年内妥結も怪しくなってきた。
▼まさかと思っていた連邦債務の上限超過に伴うデフォルト(債務不履行)も現実味を帯びる。きのう株価は下がったが、デフォルトになれば、好調を維持してきたアベノミクスも足を引っ張られるのは必至だ。
▼ついこの間まで衆参ねじれが続き、「決められない政治」によって日本が国益を大いに損じたことを大半の米議員はご存じなかったのだろう。「だから民主主義はダメなんだ」と独裁国家の高笑いが聞こえてきそうである。
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