水俣条約採択へ 国連会議が開幕10月9日 19時46分
水俣病の原因になった水銀を国際的に規制する「水俣条約」を採択するための国連の会議が9日、開幕し、石原環境大臣は条約を早期に発効させるために途上国の支援に全力を尽くす考えを示しました。
この会議は、およそ140の国と地域の閣僚級を含む政府の代表が参加して熊本県で開幕しました。水銀を巡っては、世界の途上国を中心に環境汚染や健康被害が問題となっていて、ことし1月の国連の会議で、水銀を使っている主な製品の製造や輸出入を2020年以降、原則として禁止することなどを盛り込んだ水銀を規制する新たな条約を作ることで各国が合意し、名称は水俣病の教訓を生かしたいという日本政府の提案で「水俣条約」に決まりました。
9日は水俣市で開会を記念する式典が開かれ、石原環境大臣はあいさつで「条約の採択は世界が一丸となって水銀対策に取り組むスタートだ。水銀被害の根絶を目指して条約を一日も早く発効させることが何よりも重要だ」と述べ、条約を早期に発効させるために資金を拠出するなど、途上国の支援に全力を尽くす考えを示しました。このあと、平成19年に水俣病患者として認定され、語り部としての活動を行っている緒方正実さんが講演し、「『水俣条約』は、世界を大きく変えていく一歩として受け止めている。水俣が条約名になることは歴史的な出来事であり、水俣病によるすべての苦しみがむだではなかったと思える瞬間だ」と語り、水俣病の経験を世界の水銀汚染の防止に生かすよう訴えました。
会議は3日間の日程で、10日は会場を熊本市に移し、「水俣条約」の採択や参加国による署名が行われる予定です。
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