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【プレイバック芸能スキャンダル史】

肝臓疾患を苦に飛び降り自殺した元ガロ 日高富明

【芸能】

楽天SocialNewsに投稿!
2013年10月7日 掲載
 マークこと堀内護、トミーこと日高富明、ボーカルこと大野真澄の3人組で72年リリースの「学生街の喫茶店」大ヒットで知られるフォークグループ「ガロ」。73年の紅白出場など人気となったが、メンバー間の音楽性の違いから76年に解散した。

 その後それぞれ別の道にメンバーは進んだ。堀内は一時、音楽業界を離れてオートテニス場を経営、大野はソロ活動の他、プロデュースやディレクター業も始めるなど、活動の幅を広げていった。

 一方、日高はというと目指したのは本格的なロック。ガロ時代の楽曲が嫌いだったというのが理由だが、結局、その方向性が定まらず、一方でファンやレコード会社が期待したのはガロの延長線上にあるフォーク調の曲というチグハグな状況に置かれた。そして他の2人とは対照的に、長髪にジーンズの70年代スタイルのまま活動を続け、コンサートには客が1人しか入らないこともあったという。

 回ってくる仕事は譜面の読めないアイドルが歌を覚える際に聴く、見本テープの吹き込みが主だったという証言も。ガロ時代は酒をほとんど飲まなかったが、解散後は酒量がどんどん増え、体中に斑点が出るほど肝臓を壊した。ついには食事も満足にできない状態に。

 86年9月20日午前5時過ぎ、夜間の交通取り締まりから署に戻る途中の警察官が東京・中央区の路上であおむけに倒れている日高を発見した。すでに死後硬直の状態で脈はなし。前夜の11時過ぎに「ドスッ」という大きな音が聞こえ、争うような物音もなかったという証言から、警察はマンション階段踊り場からの飛び降り自殺と断定。まだ36歳の若さだった。

 現場は日高の自宅から1キロほど離れていて、なぜ、縁もゆかりもないマンションを死に場所に選んだのか、誰にもわからなかった。日高には結婚を前提で交際中の23歳の恋人がおり、一緒に住むための部屋を探している最中。事件当夜は恋人は日高宅にいたが、夜10時15分ごろ、日高はウトウトする恋人の耳元に「これからちょっと出かけてくる。すぐ帰ってくるから静かに待っててね」と囁いて部屋を後にした。

 恋人は朝になって自殺を知らされ、23日の告別式では立つのがやっと。死の2日前に日高が買ってくれた赤いバラがまだ家に生けてあり「どうしても捨てることができません」と語った。

 友人らからは「恋人がいるからまさか自殺するとは」と驚きのコメントが相次いだ。大野も「信じられない」と絶句。堀内も「あんなに明るかった日高がなぜ」と声を詰まらせた。

 日高の自宅に残された「家庭の医学」には“肝臓とがん”のページに折り目が付けられていた。このため、自殺の原因は肝臓障害の悪化に加え、がんを疑って発作的に死を選んだという見方が多かった。しかし、その後も「もうひとりの恋人」が現れ、「自殺ではない」と語る騒ぎが起きるなど多くの謎が残された。

◇1986年9月 6日、土井たか子が日本社会党委員長に就任。主要政党で日本初の女性党首に。20日、ウルグアイのGATT閣僚会議で多角的新貿易交渉の開始を宣言。通称ウルグアイ・ラウンド。22日、中曽根首相が「アメリカは(知的水準が)非常にまだ低い」と発言、激しい抗議を受ける。

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