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[東京 8日 ロイター] - 百貨店の大丸や松坂屋を傘下に持つJ.フロント リテイリング<3086.T>は8日、2014年2月期の連結営業利益予想を上方修正したと発表した。改装効果と高額品の販売好調が寄与し、13年3─8月期の百貨店販売が好調だったため。3―8月期の営業利益はJフロント設立後の過去最高を更新した。
今期の連結営業利益予想は前期比37.7%増の425億円になる見通しで、従来予想の400億円から25億円上方修正した。トムソン・ロイター・エスティメーツによると、アナリスト11人が過去90日間に出した予測の平均値は435億円で、上方修正後の会社予想はこれを2.4%下回っている。
今期の連結売上高予想は従来の1兆1500億円から同6.2%増の1兆1600億円に増額。経常利益予想も従来の370億円から同24.2%増の400億円に上積みした。純利益は従来見通しの同2.3倍の290億円を据え置いた。年間配当予想も従来通り10円(前期は9円)を維持する。
<9月も高額品好調の「流れ変わらず」>
3―8月期は株価上昇に伴う資産効果などで宝飾、貴金属、時計を中心とした高額品の売れ行きが好調だった。山本良一社長は決算会見で、「9月に入っても(高額品の販売好調の)流れは変わっていない」と指摘。14年4月の消費税増税の影響については「駆け込み需要は(来年)3月がピークになるのではないか」との見通しを示した。
堤啓之・業務統括部財務部長によれば、今期業績予想の上方修正には3―8月期実績の上振れのみを反映しており、9―14年2月期に予想される消費税率引き上げ前の駆け込み需要の影響などは織り込んでいないという。
<3―8月期は増床・改装店舗などで大幅増収>
13年3―8月期の連結営業利益は前年同期比95.8%増の179億円だった。売上高は同22.2%増の5586億円となった。高額品の販売が好調だった。食品スーパー「ピーコックストア」事業のイオン<8267.T>への売却益が発生したことにより、純利益は204億円と同5.2倍に膨らんだ。売上高、営業利益、純利益いずれも3―8月期としては07年9月のJフロント設立後の過去最高を更新した。
主な店舗の3―8月期の売上高は、昨年、増床した大丸・東京店が35.6%増、食品フロアを改装した松坂屋・名古屋店が11.5%増、閉店セールを実施した松坂屋・銀座店が81.9%増となった。