コラム
今宮純の目 TOPに戻る2013/10/08ベッテルが見せた強さの要因! 完璧スタート!!
ハミルトンを完封! 4位ヒュルケンベルグに殊勲・敢闘・技能賞
第14戦韓国GP決勝編
セバスチャン・ベッテル(26)=レッドブル=が完璧なレースで55周の決勝を制し、自己ベストタイの4連勝を飾った。その内容を詳しく振り返るなかで、トーチュウ評論家がその健闘をたたえたのはニコ・ヒュルケンベルグ(26)=ザウバー=だ。ベッテル一色のなかで異彩を放ったことは価値がある。
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4連勝によってV4へついに王手をかけたベッテル。数字上の決定条件は、優勝してランク2位のアロンソが9位以下の場合だが、これで今週の第15戦日本GP・鈴鹿が“タイトルマッチレース”になった。もし戴冠となれば鈴鹿決着は12回目、ベッテルは11年に次いで2回目だ。
絶対本命ベッテルはPPからまっすぐ加速、このスタートプレーに今の彼の強さがはっきり現れていた。隣のハミルトンや後ろのグロジャンらを圧倒した。ホイールスピンなど全くなく、一直線に単独リードのまま1コーナーへ。このゼロ→250mがこのコースでは重要だ。後続に接近されて2コーナーを抜けると1160mストレートがあり(F1では4番目に長い)、スリップストリームを使われるリスクがある。3コーナー飛び込みで敵にチャンスを与え、さらに4コーナーまでもう1本600mの“第3ストレート”が続く。つまり、PPから1コーナーまでに絶対リードを保持していないと、3コーナーと4コーナーで2度も隙を見せることになる。
グリッド順位と同じポジションで1周目を終えてきたのは上位15人中たった2人、1位ベッテルと4位ロズベルグだけ。他の者は激しく上下、なかでも7位から5位にアップしたヒュルケンベルグが、スタートのうまいアロンソをかわし、1年ぶりにザウバー躍進レースを見せていく。
スタートを完璧に決めたベッテルは得意技の先制スパート、1周目2.108秒、2周目2.666秒リード。ハミルトンを抜いて2位に上がったグロジャンのペースを見計らい、それ以上突き放さずにホールドする。このあたり主導権を握ってから今のベッテルは盤石と言え、緩急をつけてレースを支配下におく。相次ぐ事故やトラブルなどで2回セーフティーカー(SC)出動。乱戦となるもチームとの連携によって11周、31周と2ストップして55周オールトップでカバーした。
ベッテルとライコネンとグロジャン、彼らの表彰台は今季3度目でルノーエンジン勢が独占。そしてスタートでアロンソをかわしたヒュルケンベルグがハミルトンを完封、終始2人の王者を従え自己ベストタイの4位ゴール。彼の鉄壁な走りを支えたザウバーは(1)トラクション加速性が良く(2)ストレートが伸び(3)コーナーでのダウンフォースを確保した。タイヤをうまく使ったヒュルケンベルグはロングスティント29周をカバー。表彰台に立てなかったが、殊勲・敢闘・技能賞を授与したい−。
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ベッテルが見せた強さの要因!完璧スタート!![2013/10/08]
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