柏崎刈羽:「来年4月再稼働」 東電、収支計画で設定
毎日新聞 2013年10月08日 06時00分
東京電力が取引先金融機関に示す新たな収支計画で、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働時期を来年4月に設定していることが7日、分かった。早期の原発再稼働で収支を改善させ銀行団からの融資継続に理解を得る狙いがあるとみられるが、福島第1原発の汚染水漏れの深刻化などで原子力規制委員会による安全審査が難航する恐れもあり、計画通りの再稼働は難しそうだ。
東電は今月下旬に約800億円の融資の借り換えを控えており、週内にも銀行団に新たな収支計画を示す。新計画では、発電施設の修繕費の先送りなどで、今年度に3年ぶりに経常黒字を確保することを明記。更に柏崎刈羽原発6、7号機が来年4月から再稼働することを織り込む。原発が1基動けば東電の収支は年1000億円程度改善する計算で、銀行団から融資継続に理解を得やすくなる。
ただ、東電は再稼働に不可欠な規制委の安全審査を、先月下旬に申請したばかり。審査は一般的に半年程度かかるとされるが、東電は汚染水漏れへの対応という難題も抱えている。7日の参院経済産業委員会では、規制委の田中俊一委員長が「福島の状況が国民的に納得できる状況ではない。慎重に検討をして審査を進めたい」と述べており、審査に時間がかかる可能性もある。【大久保渉、浜中慎哉】