朝鮮学校授業妨害:街宣損賠訴訟 地裁・在特会に損賠命令 「平穏な学校生活を」差別問題への関心高まり期待 /京都

毎日新聞 2013年10月08日 地方版

 「人種差別は許されないことを今後も訴えていこう」。京都朝鮮第一初級学校(現京都朝鮮初級学校=京都市伏見区)への「ヘイトスピーチ」を行った「在日特権を許さない市民の会(在特会)」に多額の損害賠償を命じた7日の京都地裁判決。原告や支援者は同市上京区のホテルで報告集会を開き、判決の意味などについて語り合った。【花澤茂人】

 約120人が参加。京都朝鮮学園の孫智正理事長(56)が「この判決が、人間としての誇りや尊厳を傷つける差別的言動の抑止、また子供たちが平穏無事に学校生活を送ることにつながることを望む。地域社会の発展に貢献できる学校となれるよう一層の努力を重ねていきたい」とあいさつすると大きな拍手が起こった。

 事件当時、3人の子供が学校に通っていた金尚均(キムサンギュン)さん(46)は「良い意味で予想と違う判決が出た。しかし民族教育権について言及がなかったのは残念で今後も追求していきたい」と話した。また事件当時教員で、現在は副校長の金志成(キムチソン)さん(45)は「事件の時はただ立っていることしかできず、無力感を感じた」と振り返り、「裁判では多くの日本の方に支援していただいた。日本に住み、日本の方々と理解し合って手を取り合っていくということは子供たちに伝えていくべきだ。これで安心して教育できる」と胸をなで下ろした。

 その後、原告側の弁護団が判決の意義などに関して説明。「民族教育権についての言及はなかったが、人種差別がいけないということと表裏の関係。民族教育について理解してもらうには高いハードルがあるが、今後の足がかりとなる」などと評価する声が相次いだ。

 参加者からは「この判決は、高校無償化除外の問題など在日朝鮮人が抱える課題解決への力になるのか」などの質問も出た。弁護団からは「積極的な国家の作為を求めることになるので少し距離はある」と慎重な意見もあったが「これを機に日本でも人種差別問題についても関心が高まっていくことは期待できる」との意見もあった。

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