【ソウル=中野晃】大阪の中堅商社から巨額の資金が引き出された「イトマン事件」などで実刑判決が確定した韓国籍の元会社役員・許永中受刑者(66)が30日午前、服役していた韓国の刑務所から仮釈放された。韓国の司法関係者が明らかにした。
韓国籍の許受刑者は、日本や韓国などが加入する受刑者移送条約に基づいて受刑者本人が移送を希望し、条件を満たすと判断され、2012年12月に服役先の栃木県の黒羽刑務所から韓国に移送されていた。
仮釈放は本人が申請し、韓国法務省の関連する審査委員会が決定したとみられるが、同省は「個人情報なので答えられない」としている。外交筋によると、許受刑者の刑は日本への上陸拒否事由に該当し、訪日は難しいとみられる。
許受刑者は不当に高い額で絵画をイトマン側に買い取らせて約263億円の損害を与えて商法の特別背任罪に問われたほか、東京の商社「石橋産業」から額面約179億円の約束手形をだまし取ったとして詐欺などの罪でも実刑が確定していた。