朝鮮学校授業妨害:街宣損賠訴訟 ヘイトスピーチ差別認定 「安全に学べる」 理事長「抑止へ有効」

毎日新聞 2013年10月07日 大阪夕刊

 京都朝鮮第一初級学校(京都市)校門前での「在日特権を許さない市民の会(在特会)」による街宣活動を7日の京都地裁判決は「人種差別に当たる」と明確に認定した。朝鮮学校の関係者からは「闘ってきたかいがあった。人種や民族に対する差別は絶対に許されないということを改めて司法が認めた」と評価の声が上がった。【松井豊、岡崎英遠、花澤茂人、寺岡俊】

記者会見する孫智正・京都朝鮮学園理事長(左端)。左から2人目は塚本誠一・弁護団長=京都市中京区で2013年10月7日、森園道子撮影
記者会見する孫智正・京都朝鮮学園理事長(左端)。左から2人目は塚本誠一・弁護団長=京都市中京区で2013年10月7日、森園道子撮影

 裁判には、原告の支援者や朝鮮学校の保護者らが詰めかけ、傍聴席は満席になった。裁判長が主文を読み上げると、法廷の外では支援者らが笑顔で握手を交わした。

 原告側は判決後、京都弁護士会館(京都市中京区)で記者会見を開いた。「判決を聞いてから涙が止まらない。事件は朝鮮人として生きる私たちの日常を踏みにじった」。当時小学5年の長女が学校に通っていた保護者会長(当時)の女性(45)は目を潤ませながら語った。「『朝鮮学校が悪いのか』『朝鮮人が悪いのか』と子どもたちに言われたこともある。今回の判決により、日本社会の中で安全に朝鮮学校で学べることを示した。子どもたちにはこれから堂々と生きてほしい」

 移転前の学校に3人の子どもが通っていた金尚均(キムサンギュン)さん(46)は、違法性を認める判決が出ても、移転後の学校周辺でまた在特会が街宣活動をするのではないかと不安だった。金さんは「新しい学校周辺での街宣を禁じた判決の意義は大きい。親として子どもたちに笑顔で報告したい」と語った。

 京都朝鮮学園の孫智正(ソンチジョン)理事長(56)は「朝鮮学校に通う子どもたちに振りかけられたヘイトスピーチの悪質性を認めた。日本社会に広がるヘイトスピーチ的な言動を抑止する上で有効になり得る」と毅然(きぜん)とした表情で判決を評価した。

 一方、在特会の八木康洋副会長は判決後、硬い表情で「我々の行為が正当と認められなかったのは非常に残念。今後のことは判決文を精査してから考えたい」と悔しさをにじませた。

 ◇「規制してもいいのでは」

 大阪市生野区のコリアタウンでは判決を評価する声が聞かれた。JR鶴橋駅前などでは、在特会などがヘイトスピーチを繰り返してきた。

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