五回に中堅に伸びた打球を体を伸ばして捕球した大和は、すぐさまカットマンまで送球した(撮影・安部光翁)【拡大】
時折、降り注いだスコールも試合中にはやんだ。残暑が照りつけ、蒸し暑さが増した宮崎で大和が復活をアピール。見つめる先は5日後に迫ったCSだ。
「この前、鳴尾浜でやったときも、これくらい強かったので、気にならなかった」
五回一死二塁から、内藤の放った打球が中堅方向に伸びた。上空は非常に強い台風24号の上陸に伴い、強風が吹き荒れている。背走し、落下点に入ったが、最後に打球が風に流された。だが、体を目いっぱい伸ばし、キャッチ。浜風が吹く甲子園でも起こり得る状況。試合勘は戻っていた。捕球後、すぐさま送球。二走のタッチアップは許したが、鋭いボールがカットマンに返ってきた。
9月26日のオリックスとの練習試合(鳴尾浜)で中堅守備のみで故障後初出場。そこからウエスタンも含めて4試合に出場した。CSでの復活へ向け、多くの実戦を踏むつもりだ。9日まで滞在予定だったが、8日の日本ハム戦(サンマリン)は台風の影響で中止が予想される。試合勘を取り戻すためにも「ギリギリまで粘ると思います。ここ何試合か、緊張感のある中でできている。試合をこなしていった方が、気持ち的に楽」と10日の楽天戦(生目第2)に出場し、CS開幕前日の11日から1軍に合流する予定だ。
「スイングはしっかりできている。結果は仕方ないが、積極的に振っていけた」
打撃は4打数無安打に終わったが、手応えを感じた。大和の負傷離脱後は俊介が「2番・中堅」に居座っている。その間、打率・293と猛アピール。中堅での先発復帰は微妙とみられるが、俊足で内外野をこなせる大和の復帰は大きな戦力アップにつながる。雌伏の時を経て背番号「0」が甲子園に帰ってくる。 (渡辺 洋次)
今季の大和
開幕から「2番・中堅」でスタメンに定着。新加入の西岡とともに1、2番コンビを形成。6月29日の広島戦(甲子園)ではプロ初のサヨナラ打を放った。8月20日のDeNA戦(横浜)で九回に右手に死球を受け、試合後、病院で検査の結果「右手第5中手骨骨折」と診断。翌21日に登録を抹消された。9月26日のオリックスとの練習試合(鳴尾浜)で中堅守備のみで故障後初出場。10月4日のオリックスとの練習試合では「2番・中堅」で先発し、5打数2安打。故障後4試合に出場。シーズン成績は104試合出場、打率・273、0本塁打、21打点、19盗塁
(紙面から)