集団的自衛権:枝野氏「立憲主義が確保されないなら亡命」

安倍政権が目指す憲法解釈の変更を批判

集団的自衛権:枝野氏「立憲主義が確保されないなら亡命」

 枝野幸男・民主党憲法総合調査会長(元官房長官)が、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認しようとする安倍晋三首相の構想に対し「立憲主義を破壊するもの」と強く批判した。

 朝日新聞が6日に報じたところによると、枝野氏は5日、東京で開かれた集団的自衛権に関する討論会に出席し「民主主義は間違える。間違えた場合でも、影響を小さくするために立憲主義がある。もし、この国で立憲主義が確保されないなら亡命する」と主張。その上で「立憲主義を守る当事者は主権者である国民のみなさん。亡命しなきゃならないようなことにはならないと思う」と述べた。

 また「憲法は権力を縛る道具なのに、(憲法の制限を受ける政府が)恣意(しい)的に過去の解釈を変えることができたら憲法の意味がなくなる」とし、集団的自衛権の行使を容認するには憲法解釈を変更するのではなく、憲法を改正すべきだとの考えを示した。

 集団的自衛権とは、同盟国が攻撃された場合に自国が攻撃されたと見なして反撃できる権利のこと。日本の歴代政権は、交戦権を認めない憲法に従い、集団的自衛権を保有してはいるものの、行使することはできないとの解釈を示してきた。枝野氏は先ごろテレビ番組で「立憲主義の役割を否定すれば共産主義国家か独裁国家になってしまう。安倍首相も、憲法というのは自分たちが少数派になったときのためのものであることを考えてほしい」と述べていた。

 この日の討論会に出席した阪田雅裕・元内閣法制局長官も「自衛隊が海外で武力を行使できないという解釈は簡潔明瞭(めいりょう)で常識的だ」と指摘。「集団的自衛権の行使を可能にするには、憲法改正手続きにのっとって国民の判断を仰ぐのが当然だ」と主張した。

 これに対し、船田元・自民党憲法改正推進本部長代行は「時間があるなら憲法を改正すべきだ」としながらも、極東アジア情勢が緊張していることを踏まえると憲法を改正する時間的な余裕はないと述べ、憲法解釈の変更に理解を求めた。また、枝野氏の主張に対し「ガチガチに立憲主義を守ることによって国が滅んでしまっては何もならない」と反論した。

 一方、日本経済新聞は先ごろ、防衛省が陸海空3自衛隊の一体運用を円滑にするため「常設統合司令部」の新設を検討していると報じた。自衛隊は現在、災害などが発生した場合に限り「統合任務部隊」を設け、司令部を置いている。

東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員
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