UPDATE 2-対米証券投資、7月は財務省証券が買い越しに転じる 中国と日本の保有高が増加
(内容を追加しました)
[ニューヨーク 17日 ロイター] - 米財務省が17日発表した7月の海外投資
家による対米投資統計によると、長期有価証券(株式スワップ等除く)は、主に中国と日
本が財務省証券投資を増加させたことで、311億ドルの買い越しとなった。
6月は670億ドルの大幅な売り越しだった。米連邦準備理事会(FRB)による緩
和縮小観測の高まりを受け、米10年債利回りが同月中に約0.5%ポイント上昇。財務
省証券は408億ドルの売り越しとなっていた。売りの大部分は中国と日本によるものだ
った。
7月は緩和縮小に対する懸念が幾分和らぎ、財務省証券は339億ドルの買い越しと
なった。日本の財務省証券保有額は520億ドル増の1兆1350億ドル。4カ月ぶりに
増加した。中国の保有額は15億ドル増の1兆2770億ドルだった。
TD証券の米国ストラテジスト、ゲンナディー・ゴールドバーグ氏は、「かなりの売
り越しになると予想していた。全体の雰囲気を踏まえると(買い越しに転じたことは)意
外だ」としながらも、「一部では、売りはこれ以上は進まないとの見方が出ていた可能性
もある」と述べた。
ただ、米国債は8月から9月にかけても売られ、10年債 利回りが3%
台に乗せ2年ぶり高水準を付ける場面もあった。同利回りは17日は2.85%近辺で推
移している。
米FRBは現在、月額850億ドルのペースで債券買い入れを実施しているが、17
日から2日間の日程で始まった連邦公開市場委員会(FOMC)で、規模縮小開始を決定
するとの見方が大勢となっている。
7月は株式が84億ドルの売り越し。前月の271億ドルから売り越し額は縮小した
。社債は9億ドルの売り越し。前月は52億ドルの売り越しだった。
米株式市場ではS&P総合500種 が6月に1.5%低下した後、7月は約5
%上昇している。
短期証券(Tビル)を含む対米証券投資全体は567億ドルの買い越し。前月は19
7億ドルの売り越しだった。
*米財務証券の海外投資家の保有率に関するグラフィックはこちらをご覧ください。
link.reuters.com/kaw93t
統計の詳細は以下のとおり。
(季節調整前、10億ドル、ネット)
July June May
対米証券投資 56.7 -19.7 58.8
民間 59.3 -5.3 48.7
公的機関 -2.6 -14.4 10.0
長期有価証券 14.4 -85.5 -43.9
株式スワップ等 -16.7 -18.5 -18.6
長期有価証券(株式スワップ等除く)
31.1 -67.0 -25.2
対内証券 46.7 -78.6 1.6
民間 41.7 -82.4 -42.2
公的機関 5.0 3.8 43.8
財務省証券 33.9 -40.8 11.0
政府機関債 22.2 -5.5 -10.3
株式 -8.4 -27.1 -8.2
社債 -0.9 -5.2 9.2
国別財務省証券保有(10億ドル)
中国(本土) 1277.3 1275.8 1297.3
日本 1135.4 1083.4 1103.7
カリブ海諸国 287.7 290.8 280.0
石油輸出国 257.7 256.8 264.5
ブラジル 256.4 253.7 255.2
台湾 185.8 186.2 188.8
スイス 178.2 180.4 182.6
ベルギー 167.7 176.1 175.2
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