【社説】社債市場の2極化で「ドミノ倒産」の危機

 東部グループの系列会社である東部製鉄が先ごろ、2年物社債400億ウォン(約36億円)を年利8.9-10.07%で発行すると公示した。年利は最低8.9%だが、買い手がつかなければ10.07%で社債を発行するというわけだ。東部製鉄のような信用格付け「トリプルB」の企業の社債に対する需要が大きく冷え込んでおり、同社は最終的に10%台の年利で社債を発行する可能性が高いという。

 大企業が年利10%を超える高金利社債を発行するのは異例だ。東部製鉄は今年5月に社債400億ウォンを年利8.7%で発行したが、わずか5カ月で金利が1.3%も跳ね上がったことになる。それでも社債を発行できる東部製鉄はまだましな方だ。社債の発行を代行してくれる証券会社が見つからず、発行計画を白紙化した企業も少なくない。

 熊津、STX、東洋などの中堅グループの系列会社が相次ぎ法定管理(会社更生法適用に相当)を申請した中、社債市場で二極化現象が目立ってきている。信用格付けが「ダブルAマイナス」以上の優良大企業は3.25%の低い金利でも社債を発行でき、発行額も増えている一方、格付けが「トリプルBプラス」以下の非優良企業は8-9%の高金利でもなかなか買い手がつかない。

 社債発行による資金調達が不可能な企業の大半は、銀行から融資を受けるのにも苦労している。社債を発行できず融資も受けられない中で発行済み社債が償還期限を迎えれば、これを償還できず、不渡りの危機に直面することになる。財務構造が良くない企業が発行した社債のうち、来年上半期までに償還期限を迎えるものだけで8兆3000億ウォン(約7500億円)に達する。金融市場では、一部の中堅グループや建設・造船・海運企業の危機説がささやかれている。

 このように中堅グループが相次ぎつぶれれば、韓国経済も揺らいでしまう。非優良企業の社債をひとまとめにし、そのうち1社が不渡りを出しても元金の大きな損失が出ないような新たな債券を発行する案、政策金融機関の保証方式を変更して債券市場の資金調達機能を復活させる案も検討してみるべきだろう。また、資金繰りが苦しい大企業が系列会社や資産を売却して財務構造を改善できるよう、企業買収・合併(M&A)市場のさらなる活性化を図る必要がある。

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