京都地裁:在特会街宣に賠償命令…人種差別と認定

毎日新聞 2013年10月07日 12時46分(最終更新 10月07日 14時40分)

判決を受けて記者会見する孫智正・京都朝鮮学園理事長(左端)。左から2人目は塚本誠一・弁護団長=京都市中京区で2013年10月7日午前11時52分、森園道子撮影
判決を受けて記者会見する孫智正・京都朝鮮学園理事長(左端)。左から2人目は塚本誠一・弁護団長=京都市中京区で2013年10月7日午前11時52分、森園道子撮影

 京都朝鮮第一初級学校(京都市)の校門前で行われた学校を中傷する大音量の街頭宣伝などヘイトスピーチ(憎悪表現)で授業を妨害されたとして、同校を運営する京都朝鮮学園(京都市右京区)が、「在日特権を許さない市民の会(在特会)」と元メンバーら9人を相手取り、3000万円の損害賠償と同校の半径200メートル以内での街宣活動禁止を求めた訴訟の判決が7日、京都地裁であった。橋詰均裁判長は在特会の街宣を「著しく侮蔑的な発言を伴い、人種差別撤廃条約が禁ずる人種差別に該当する」と認定した。

 ◇朝鮮学校周辺の街宣活動禁止

 学校事業に損害を与えたとして在特会側に1226万円を支払うよう命じた。学校周辺の街宣活動についても請求通り禁止を命じた。いわゆるヘイトスピーチの違法性を認定したのは全国で初めて。裁判所が、ヘイトスピーチとして問題になっている特定の民族に対する差別街宣について「人種差別」と判断したことで、東京・新大久保や大阪で繰り返される在日コリアンを標的にした差別街宣への抑止効果が予想され、ヘイトスピーチの法規制議論を促すことになるとみられる。

 判決は、2009年12月〜10年3月、在特会メンバーらが京都朝鮮第一初級学校(当時。現在は京都朝鮮初級学校=京都市伏見区=に移転)に押しかけ、「朝鮮学校を日本からたたき出せ」「何が子どもじゃ、スパイの子やんけ」などと拡声機で怒号を浴びせた演説について、憲法が保障する「表現の自由」の範囲内かどうかなどについて検討した。

 橋詰裁判長は街宣やその映像をインターネットで公開した行為について「在日朝鮮人に対する差別意識を世間に訴える意図のもとに示威活動及び映像公開をしたものと認められ、人種差別に該当」と判断した。

 朝鮮学校側の「民族教育権」が侵害されたとの主張については、言及しなかった。【松井豊】

 ◇子どもの励みに…原告弁護団長

 原告側の塚本誠一弁護団長は「同種の街宣事案について、強い抑止効果を発揮すると期待している。日本全国の朝鮮学校で学んでいる子どもたちの大きな励みになる」と話した。

 ◇認められず残念…在特会副会長

 在特会の八木康洋副会長は「我々の行為が正当であると認められなかったのは非常に残念。判決文を精査して控訴するかどうかを考えたい」と話した。

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