『保守コン』〜憂国のリアリズム〜

 

 突然ですが、皆さんは「善玉菌」「悪玉菌」の話を知っていますか?

 

 人間の腸内には数十億もの菌が常在していますが、大きく分けて「善玉菌」「日和見」「悪玉菌」の三種類に分かれます。人間の健康にとっては、この三つのバランスが大切で、善玉菌二割、日和見菌七割、悪玉菌一割のバランスが正常なバランスであり、このバランスが崩れると身体に様々な異常が起こると言われています。

 

 面白いのは、善玉菌を異常に増やし、悪玉を死滅させた途端、善玉菌は捕食する相手がいなくなり、善玉菌もまた死んでしまうということです。つまり、善玉菌が生きるには、悪玉菌がなくてはならない。人間が生きるためには、善玉菌も悪玉菌も共になくてはならいという共存関係がそこにはあるのです。

 

 これは人間の社会にとっても言えることではないでしょうか?善人が光るためには、悪人がいなくてはならない。スターが輝くのは、他ならぬ悪役がいるからです。「敵もまた味方なり」と。

 

 神道においては、善も悪もありえず、すべてのものが、意味があって存在しています。例えば、神社のお祭りには、ヤクザ集団もいれば、善良な老若男女がいます。しかし、何かを排除することはなく、なんとなく共存している不思議な光景がそこにはあります。善と悪を超絶した世界が神道の世界観であり、善と悪、陰と陽、すべてが一体不可分です。

 

 内在する神を抱えた人間は、神にとっては皆愛おしい存在であるに違いありません。多くの人が、そのことを忘れ(無知)、小さな自己(エゴ)によって振り回され、好き勝手をしているのが現状です。

 

 大事なことは、バランス。これです。善玉菌は全体の二割、悪玉菌は一割が理想なのです。言い換えれば、広い意味での自覚的保守層が人口の二割、反日勢力が一割いることが望ましい。このバランスを維持できるかどうか。ここに日本全体の命運が懸っていると言えるでしょう。

 

 『保守コン』は、この自覚的保守層が人口の上で増えることを目的に行われるものです。憂国の若き男女が、家族を作り、そして子孫を授かる。その子孫もまた、保守の流れを脈々と受け継ぐ事になるでしょう。

 

 では一体「保守」とは何か?という問題があります。様々な定義がありますが、私は、その究極を、「先祖崇拝」と「神仏崇拝」の二つに置きたいと思います。なぜか。

 

 我々は今、ここに存在していますが、これには二つの前提があらねばなりません。一つは、父母の存在であり、その先にある先祖の存在です。彼らがいなければ、今の自分は生物学的にありえません。と、同時にもうひとつの大前提があります。それは自然、すなわち天と地がなければ、そもそも人間は生きていけないということです。

 

 我々人間は喜怒哀楽、色々な経験をしますが、これはすべて我々がすでに存在して、「生かされている」という前提に立っての経験でしかありません。とすれば、まずは様々な苦労があろうとも、天と地に感謝を、父母を始めとする先祖に感謝をすることが生きる人間の根本になります。

 

 『道徳』という言葉は老子の『老子道徳経』に由来していますが、「道」に沿った生き方を「徳」と言います。道とは、自然(父母や先祖を含む森羅万象)を敬い、感謝する気持ちであり、この心に沿った、一つ一つの行動規範が徳です。

 

 従って、日本の保守とは、「神棚を祭り、先祖供養を日々行いながら、道徳に沿った生き方をする二割の集団」と私は定義したいと思います。歴史や政治論争等の細目は自然と解決されるでしょう。

 

 日本に「道徳の柱」を立てましょう。強い、道徳性の高い国家をつくるのです。その中心に、人類の宝である皇室が在ることは言うまでもありません。百年後の日本のために、今、我々には、やるべきことがあるのです。

 

                     平成25年9月2日 坂 本 英 知